2018年4月20日 (金)

春の便り

     岩国市  会員   林 治子

 関西に旅行した友からお土産に「いかなごの佃煮」をもらった。播磨灘でとれ 生いかなごでショウガやサンショウを入れて炊き上げる佃煮。舞子に住んでいた叔母の得意料理。当時、大阪に住んでいて「取りにおいで」という電話をもらうと、心うきうきと出掛けたものだ。
 電車を降り高台の家まで坂道をゆっくりと歩く。淡路島が春がすみに包まれ、のどかな海。素晴らしい自然の名画。胸いっぱい新鮮な空気を吸う。温かいご飯に乗せて食べるおいしさは格別。叔母が逝って春の便りも届かない.久しぶりの懐かしい味と共に叔母を思い出した。
  (2018.04.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

| | コメント (0)

2018年4月11日 (水)

新聞 日常に欠かせず

   岩国市   会 員   片山清勝

 新生活が始まる時期に合わせて「春の新聞週間」が始まった。
 私が新聞を読み始めたのは1949年、小学3年だった。戦後の混乱は収まってはいなかった。そんな頃に「新聞
を読んで感じたこと」を発表する時間があった。今のNIE(教育に新聞を)の先駆けかもしれない。
 それから69年、新聞は日々の生活から切り離せず 「速報は放送、詳細は新聞から」と配達を待つ。家族の一員と同じような存在になっている。
 このところ「確認したが、ない」などとした公文書の存在が明らかになり、改ざんや隠蔽など、政府や行政の姿勢が問題になっている。この問題でも放送は聞き流して未消化で終わる。その点、新聞は納得できるまで読み返せる。解説はより深く理解させる。
 紙面にはさまざまな情報がある。全てが気に入るものではないが、そこから自分とは異なる考えを知り、思いやりも生まれる。広場欄はそんな集約面の一つと思う。
       (2018.04.11 中国新聞「広場」掲載)  
 

| | コメント (0)

2018年3月27日 (火)

グッド・ジョブ

        岩国市  会 員   樽本 久美

 「外国人に、書を教えるイベントがあるんだけど手伝ってくれない」との電話があった。以前も手伝ったことがあったので、すぐOKをした。久々の外国人との交流。「好きな文字は何?」と聞くと、いろいろな言葉が飛び出した。
 半紙にお手本を書き、名前をカタカナで書いてあげる。それを見て、子供も大人も真剣そのもの。「幸」「桜」「犬」「骨」「土足厳禁」などの言葉を。左手で書く人も多く、いろんな形の文字ができ、見ていて面白かった。褒めてあげると、うれしそうな笑顔。私まで笑顔になり、書くことの面白さを再発見した。
2018.03.26 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

| | コメント (0)

2018年2月23日 (金)

ぐうたらの時間

    岩国市  会員   貝 良枝

 日曜日、娘2人と昼ご飯を食べる。そろって食事をするのは本当に久しぶり。
 
 長女は他県に住み、帰省してもほぼ友達と遊びに出かける。次女は美容師、日曜が休みに当たるのはまれだ。
 
 ホットプレートを囲んでお好み焼きを食べ、コタツにもぐる。「ぐうたらするのもいいねぇ」「お昼寝しようっと」と娘たち。おなかが満たされ、暖かい場所で丸くなって寝る。「あんたたち、子犬のようね」
 
 洗い物を済ませ、私も首までもぐる。「実家はいいねぇ」と長女も、このひと時を味わうように一段ともぐった。
 
  (2018.02.23 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

| | コメント (0)

2018年2月21日 (水)

宇宙の謎 解明を期待

   岩国市   会 員   片山清勝

 宇宙の記事が載ると繰り返し読み、ロケット打ち上げの成功は、わが事のように喜ぶ。それで宇宙を理解しているのかと問われると、宇宙と同じ暗い空間に漂っているようだと答えるしかない。
 10日付セレクトの「ブラックホール ベール脱ぐか」の記事を面白く読んだ。ブラックホールは、非常に強い重力と高密度を持つ天体で、あらゆる物を吸い込み光も逃げられないという。
 そんなえたいの知れない天体の影を捉えるかもしれない。もし成功すればノーベル賞級の快挙になるという。
 その天体は天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホール。世界6カ所の観測拠点で、高性能の望遠鏡を使って同時に観測し、成功すれば、ブラックホールの 「影」が真っ黒な穴として写り込むという。
 日本の画像処理技術の貢献で、今秋以降にはその姿を捉えた画像が見られるかもしれない。宇宙ファンの夢は膨らむ。

       (2018.02.21 中国新聞「広場」掲載)

| | コメント (0)

2018年2月11日 (日)

1を重ねて孫史

   岩国市   会 員   片山清勝

 孫新聞を作り始めて17年目、毎月「1」ずつ増えた号数は先月で200号になった。創刊号は孫娘3歳の時、読み姶めたという平仮名ばかりで作った紙面が今は懐かしい。
 京都生まれの孫は少し小さく生まれたが、大きな患いもなく育ったことがうれしい。今は、留学に備えての準備と授業で忙しい学生生活を送っている。
 ファイルは、時々の様子を思い出す孫史になっている。そして、単に「1」の積み重ね以上の重みを感じさせる。
 パソコンを相棒に毎号、楽しみながら、面白い充実した紙面にしようと頑張っている。

    (2018.02.11 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

| | コメント (0)

2018年2月 9日 (金)

ステレオの役目

 

  山陽小野田市  会 員   河村 仁美

 実家の居間に父が買ったステレオがある。買った当初は、めずらしがってクラシックのレコードをかけて楽しんでいたが、いつの間にか物置になった。

 もう40年以上そのままなので「捨てたら」と弟に言ったら意外な答えが返ってきた。「父が立ち上がる時につかまり、ドアまで歩く時の手すりになっている」という。おまけに座椅子が後ろに倒れていかないように背もたれの役割も果たしている。

 本来の音を奏でる役目とかけ離れてしまったが父の役に立っているようだ。今まで邪魔だと思っていたが、いとおしくなった。これからも父をよろしく。

2018.02.09 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

| | コメント (0)

2018年2月 3日 (土)

有効活用度

   岩国市  会 員   森重 和枝

 市のイベントに参加。会場の健康相談の所に、大勢の人が並んでいた。血管年齢、脳年齢が測れるというのが魅力で、受けてみた。
 このごろは、忘れることや覚えられないことばかりで、脳年齢の測定には大分ためらった。
 画面に1~50の数字がランダムに並ぶのを順番にタッチしていく。2回目は画面の数字が動く。両方とも結構早くできた。素早さ、脳の元気度、有効活用度が表示され、64歳と出た。
 予想外だ。総合評価欄に元気な脳が上手に使われていないとある。これからは、もっと脳の活用度アップを心掛けようと思う。
  (2018.02.03 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

| | コメント (0)

2018年2月 2日 (金)

自由なこころ

岩国市   会 員   上田 孝   

 最近、髪が薄くなってきたので、散髪はカミさんにやってもらっている。臨時の床屋と客はノーベル文学賞のカズオ・イシグロのような形を目指していて、出来栄えにはほぼ満足している。
 ところがである。朝は前髪を垂らすように櫛を入れているのに昼や夕方に鏡を見ると、ほとんどの場合七三分けに戻っている。現役時代に長年つけた癖が髪の毛を形状記憶にしてしまったのだろうか。サラリーマン時代の「常識的な身だしなみ」の象徴のようで何だか面白くない。髪形は解放されないままとしても、せめて心は自由な作家のようにありたいと思う。
   (2018.02.02 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

| | コメント (0)

孫新聞

   岩国市   会 員   片山清勝

 季刊の予定で始めた「孫新聞」。作るのが楽しくて月刊にし、ことし17年目。1月で200号になった。
 きっかけは、京都に住む孫娘が3歳になる少し前のこと。「平仮名が読めるようになりました」という嫁からのうれしい知らせがあった。離れて暮らしている孫が読んでくれたら思いが伝わるかな、とパソコンを使って作り、仮名ばかりの第1号を送った。
 小学校低学年までは学年に合わせた漢字ドリルを買い、学校で習う漢字を取り入れた。すると、次第に新聞らしくなり、作る面白さが増してきた。紙面も絵本形式から縦書きの新聞仕様に変えた。
 B5判の片面印刷は創刊以来変わらない。読めば5分とかからないが、出来上がるとほっとする。中学生までは学校に関わる内容も記事にした。しかし、孫の学齢が進むにつれ、時代の相違もあって状況に追いつけなくなった。最近は、私ら夫婦の近況や身の回りの内容が増えた。読めば孫一家も安心してくれると思っている。
 少し小さめの誕生だったが、大きな患いをすることもなく育ったのが何よりうれしい。今は大学1年、自転車通学している。そんな孫の顔を思い浮かべて作っている。ゲラを妻に見せる。たまに修正案も出る。夫婦で合意して仕上げる。
 ファイルは6冊目、楽しみながら作っているが、それにしてもよく続いたと自分でも思う。それでもいつかは終刊の時は来る。できる限り続けたい。

     (2018.02.02 中国新聞セレクト「ひといき」掲載)

| | コメント (0)

«48年ぶりの和服