2018年1月22日 (月)

言葉の力

 

    岩国市  会 員   横山恵子  

 昨年12月に母を亡くした。慌ただしく過ぎた通夜、葬儀。喪中はがきを出すには遅すぎると思っているうちに年が明けた。  
 四十九日法要を終え、改めて母の91年の人生を思う。天寿を全うしたのだからと自分に言い聞かせる日々。  
 息子の「(昨年)11月、おばあちゃんから、お母さんを助けてやりんさいよと言われた。それが僕への遺言と思う」との言葉に涙がにじむ。  姪の3歳の子が「ひいばあは、ひいじいに会えて喜んでるよ」と言ったと聞き、心が明るくなった。今ごろ、第二の新婚生活を楽しんでいるだろうか。
       (2018.01.22 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2018年1月20日 (土)

ちゃちゃ丸

    岩国市  会 員   稲本 康代

 広島に住む娘がプードル犬を飼い始めた。5カ月の雄で、ちゃちゃ丸と名付けられた。
 正月に我が家に連れて帰ったが、私にとっては驚きの連続。犬ではない。完全に家族の一員である。常に娘にまとわりついて、また、娘も立っても座っても抱っこしている。孫はペロペロと顔をなめられながらも、うれしそうに一緒に遊んでいる。2人の姿が見えないとキャンキャン鳴いて、うるさい! 
 正月が終わり、日常生活に戻った今日このごろ、シッポを振って私を見上げたちゃちゃ丸の顔をしきりに思い出す。
 会いに行こう……かな。

   (2018.01.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

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2018年1月16日 (火)

神の声 

       岩国市  会 員   吉岡 賢一

 

 ありがたいのかどうなのか、やや複雑な思いで「後期高齢者」の指定を受けた。あれから1年過ぎた今も、自ら健康優良老人を名乗るだけあって、一般検診や血液検査、がん検診など、検査項目すべて特に異常なし。
 
 「ほらね、この通り」と自分の手柄のように報告した。だが待てよ。朝はおかゆとみそ汁に自家製梅干し。夕飯は玉ねぎワインと酢をたっぷりの大根おろしの前菜を欠かさない。そんな用心深い食事管理を毎日するのはカミさんじゃないか。そのお陰だと、胸の中で手を合わす。
 
 「メタボだけは自己管理よ」と厳しい声が耳を刺す。

 

  (2018.01.15 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2018年1月10日 (水)

胸躍る2軍キャンプ

   岩国市   会 員   吉岡賢一

  岩国市の新球場で広島東洋カープの2軍キャンプを実施するという。思いがけないお年玉をもらった気分で、「こいつぁ春から縁起がいいわい」と悦に入っている。
 2軍の春季キャンプ第1クールの2月1~3日を、 「キズナスタジアム」で行うという。早速、友達にも声を掛けてカレンダーに書き込んでおいた。
 キズナスタジアムは、国が米軍と市民の共同施設として整備、昨年11月にオープンしたばかりで、どのような施設なのか興味津々。そして、グラウンドを駆け回る選手のユニホーム姿に今から胸を躍らせている。
 ありがたいことに、岩国市には由宇球場というカープの2軍練習場がある。2軍公式戦も行われ、注目の選手に近くで声を掛けることもできる。
 今年は大型選手の入団で、由宇球場は熱く燃えるに違いない。球春に胸躍る春季キャンプの岩国実施は、野球ファンに限らず楽しみなイベントだ。粋な計らいに拍手を送りたい。 

    (2018.01.10 中国新聞「広場」掲載)

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2018年1月 8日 (月)

「その日始め」心掛け

   岩国市   会 員   片山清勝

 仕事始めの記事を読みながら、それに縁のなかった職場時代を思い出した。30代半ばくらいまで、化学製品の製造プラントで3交代勤務をしていた。連続して安定・安全運転をすることが毎日の仕事で、仕事始めなどという区切りはなかった。
 プラント運転ではちょっとした油断は事故や災害につながる。毎日の運転や安全についての始業前ミーティングが重要な仕事始めだったと思い当たる。
 年末年始の勤務によっては、タワーの頂上から瀬戸内海に昇る初日の出に何か手を合わせた。思い返せば、ぜいたくな経験をしていた。
 昔、農村では田畑へのくわ入れ、山村では木の切り始め、漁村では舟の乗り始め、商家では初売りや初荷を仕事始めとしたとある。
 現在は官庁、企業とも職員を集め、幹部の訓話が一般的となっている。それに比べると、昔の仕事始めはそれらしい実感が湧く。
 今年からは毎朝、「その日始め」を実行したい。平穏に過ごせることを実践し、人に迷惑を掛けないように心掛けたい。 

     (2018.01.08 中国新聞「広場」掲載)

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2017年12月24日 (日)

ミカン作りねぎらう

   岩国市   会 員   横山恵子

 下関から地元の岩国に帰って、はや38年。その間、亡夫の教え子のご両親から、毎年ミカンが送られてきた。
 先日、その中に「今年をもって、ミカン作りを終えることにしました」という手紙が添えてあった。
 数年前から年齢を重ねて作業が難しくなったと話されていたので、やはり来るべき時が来たと一抹の寂しさを感じた。
 賞を取ったこともあるミカン作り。夫は「あのミカンはひと味違う」と毎年楽しみにしていた。
 下関時代には、出荷で忙しい時など、猫の手くらいだったが夫も休日に手伝っていた。当時、赤ん坊だった息子をミカン箱に入れて作業していたことを、懐かしく思い出す。
 下関を離れても、教え子の結婚式に夫婦で招かれたり、6年前には息子一家と訪れて昔話に花を咲かせたりと、思い出は尽きない。
 半世紀以上ものミカン作りは、ご苦労があったと思う。お体に気を付けて、ゆったりと過ごしてくださるように願っている。

     (2017.12.24 中国新聞「広場」掲載)

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2017年12月18日 (月)

健康守って社会人に

   岩国市   会 員   片山清勝

 13日付ヤングスポットの「就職まで学業も全力」は、就職試験前の緊張と内定の喜び、卒業までの心構えと周囲への感謝などが簡潔に書かれていた。
 読みながら、現役の頃、高卒採用担当として受験生に接し、強く印象に残っていることを思い出した。
 それは手を膝の上で握りしめ、顔を紅潮させ、正面を向いて懸命に答えてくれる面接試験での姿だ。
 背筋を伸ばし、真摯な姿に接すると、全員を採用したいと思ったこともある。
 筆記試験の感想を問われると、謙遜か学校の指導なのか分からないが、高得点なのに自信たっぷりの答えはあまりなかった。
 投稿者は「残りの学生生活は学業も手を抜かず全力で楽しむ」と結んでいる。
 経験からこれに一つ加えるなら、健康管理を十分に果たしてほしい。今年の就職内定率はこれまでにない高さという。みんな健康で明るく第一歩を踏み出してほしい。

     (2017.12.18 中国新聞「広場」掲載)

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2017年12月16日 (土)

年賀状 年重ねても続けたい

 

   岩国市  会 員   林 治子 

 

 近所のスーパーで、古くからの知人を久しぶりに見かけた。
 数年前に年賀状のやりとりが途絶え、気になっていた方だ。

 声をかけて年賀状の話を持ち出すと、「もう80をと~うに超えたのよ。 まだ書けって言うの」と言われた。意外な反応に、怒らせてしまったのではと心配した。

 数日後、同世代の友人から電話があった。 電話より手紙、という筆まめな人なので珍しく感じた。

 年賀状の話題になり、彼女は「書くのが億劫になってきた。今年はどうしょうかと思う」とこぼした。気力や体力が追いつかないらしい。
 私は書くことは億劫ではないものの、気持ちはわかった。 同じ理由で、用事を先延ばしにしたくなることが増えたからだ。 スーパーで会った知人もそうなのかもしれない。
  「年に一度だし、頑張って書いて『元気』とアピールしようよ」。
 自分自身にも言い聞かせるつもりで、友人を励ました。

(2017.12.15 読売新聞「私の日記から」掲載)   

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2017年12月15日 (金)

自転車廃車

   岩国市   会 員   片山清勝

 似合いのヘルメットをかぶった子どもたちが家の前を自転車で行き来する。その姿を見ながら、自転車がわが家から消えてまもなく1年たつことに気付く。
 結婚後に購入した婦人用に、妻は二十数年乗った。2台目も婦人用、やはり20年くらい使った。どちらも定期的に油拭きをし、回転部に注油して大切にした。パンクは一度もなかった。
 それが訳あって数年使わなくなり、掃除もほこり拭き程度になった。もう乗ることはないと、妻と相談して廃車を決めた。大型ごみとして市に回収を依頼。手続きは電話、最後に「利用可能な部品は使わせてもらえますか」という問いに「喜んで」と返事した。
 回収の前日、最後の油拭きをし、タイヤに空気を満たす。チェーンや回転部に注油する。スタンドを立ててペダルを回す。久しぶりに回る後輪は静かな回転音を発しながら軽快である。ペダルを反対方向に回すと「シャー」というチェーンと歯車の協和音もいい。ひょっとして「再登場か」と自転車を喜ばせたかも、と思いながら回収票を貼る。
 朝、再びどこかで自転車の役目を授かってほしいと願いながら、玄関前に持ち出した。
 見届けようと注意していたが、玄関から離れたほんの5分ほどの間に消えていた。「回収票があればお留守でも持ち帰ります」という電話の声を思い出す。見送れば未練が残ったかも。
 今、どこかで走っているだろうか。子どもたちを見ながら想像した。

     (2017.12.15 中国新聞セレクト「ひといき」掲載)

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2017年12月 8日 (金)

炊飯器寿命かな?

岩国市  会員  林 治子

 朝ウオーキングから帰り玄関を開けた途端いつも匂ってくるご飯の匂いがない。確かにセットしたのに。とうとう寿命か。コンセントを外したり差し込んだりしてみた。どうにか動きそう。やがてコトコト音がした。3合炊きで家族が少なくなった今重宝している。  
 15年前に大阪から帰る時、田舎は都市ガスでないから電気で炊くようになるという友人からの頂き物。その親切に感謝した。でも品物を見てびっくり。中の釜にご飯粒がついていた。嫁入りさせる時は磨きをかけるのでは? 彼女にどんな考えがあったのか。聞くわけにもいかないが今も不思議だ。

2017.12.08 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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