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2006年8月 1日 (火)

「安い女」

     岩国市    会員    檜原 冨美枝

 私は桃が大好物。スーパーの桃は1個何百円。もったいない、と見て見ぬふりをする。

 日曜朝市のチラシが入った。主人いわく「桃が安いよ。しっかり食べたら。自分はいらないから」。

 お言葉に甘えて急いで買いに行く。1人では食べにくいので主人のも。夜の食卓はひときわ豪華。甘い香りが部屋中に漂う。

 1週間の労をねぎらい、酌み交わす1杯は格別においしい。最期に極めつけの桃をかじる。口の中は甘いしずくでいっぱい。

 今日は朝から意見が対立し、気まずい面もあった。桃であしらわれ、安い女のようで悔しい気もするが、これも生活の知恵か。
        (2006.08.01 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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