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2007年2月

2007年2月23日 (金)

「メジロの水浴び」

    岩国市   会 員   沖 義照

 

 春1番の強い風が吹いた日、朝食を済ませ新聞を読んでいたとき、狭い庭に突然1羽のヒヨが飛んできた。それを機に庭の片隅に餌台を作り、リンゴとミカンを切って並べ、またの来訪を待っていた。

 数日後、なんとメジロのつがいがやって来た。名前の通り、目の周りが化粧しているように白く愛らしい。リンゴには口をつけず、ミカンばかりをつついていた。

 これに味を占め、翌日大きなグラタン皿を買い求め、中に小石を敷いた水浴び場まで作って様子をうかがっていた。するとその日の午後、先日のメジロ夫妻であろう。またやって来た。

 窓のブラインド越しに息を潜めて観察した。忙しい食事の合間にこの夫婦、何とキスが入る。しかも何度も、それが繰り返される。メジロでなくて良かったと、しみじみ思うような光景であった。ひとしきり食事をしたあと、突然1羽がバシャバシャト荒々しく水を浴びた後、2羽が一緒になって飛び立って行った。

 それにしてもこのつがい、本当に夫婦なのだろうか。水浴びしたのは多分オスに違いない。あのオスには身を清めなければ帰れない、何か深い訳でもあるのだろうか。かわいいメジロを眺めながら、つい下世話なことを考えていた。

  (2007.02.23 中国新聞「広場」掲載)

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2007年2月16日 (金)

「熟年お披露目」

    岩国市   会 員    吉岡 賢一

 先日、幼なじみの同級生の女性から電話が入った。「結婚式の司会をしてくれん」と、いきなりだ。「誰の結婚式?」「私らの(私たちの)」と言う。

 よく話を聞いてみると、若くして結婚した最初のご主人は早くに病気で他界され、10年間の子育て奮闘を経て現在のご主人と出会い結婚したという。

 晴れがましい結婚披露宴などしていないことを、ふと思い出したそうである。彼女の経営する美顔教室の若いスタッフの勧めもあり、自らの決断もあって29年目のお披露目をすることにしたそうで、頼もしい披露宴司会の依頼であった。

 彼女は65歳、彼が4歳下の61歳。これまでにありとあらゆる婚礼の司会を手掛けてきたつもりの私も、いささかひるむ気持ちもあった。

 一方で、熟年離婚・定年離婚などが取りざたされるご時世に、29年目の結婚披露宴挙行とは、なんと胸のすくチャレンジか。

 この勇気に、もろ手を挙げて大賛成。これまでの経験のすべてをぶっつけて、真珠婚式と呼ばれる30年目の1年手前で、タマゴ真珠婚式と銘打って、思いっきり感動し楽しんでもらえる披露宴をプロデュースしたい。

 そして、熟年離婚など考えず、この夫婦に続く熟年お披露目が増えることを祈りたい。
   (2007.02.20 中国新聞「広場」掲載)

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2007年2月 2日 (金)

「虐待」

   岩国市   会員  横山恵子

 虐待のニュースが後を絶たないことに対し、腹立たしさを感じる。よく虐待されて育った人が、わが子を虐待すると聞く。本人が誰よりも、その痛みが分かっているはずなのに、なぜかと不思議でならなかったが、以前、キレる子の脳に関するテレビ放映を見て、少し納得した。

 

 ブレーキを掛けられる大人に育つには、幼児期のコミュニケーションが大切であるという内容であった。親子の触れ合いが脳の成長を促し、ゲームも一人でするより、相手の表情を見ながら二人でする方が、脳を活性化するという。

人間は、人とのかかわりから、ぬくもりを感じ取るものだと思う。ぬくもりといえば、昔のお母さんが、わが子をねんねこで背負って家事をしている姿を思い浮かべる。お互いが、ぬくもりを肌で感じていたんだなあと思う。子育ての難しい時代だと思うが、親の愛情が子の心を育てると思う。

 子も成長すれば、きっとそれに応えてくれるだろう。ところでキレるという言葉は、何年前から使われるようになったのだろう。毎年の流行語大賞は、その年を反映していると思うが、キレるというような言葉が生まれないような世の中であってほしいと思う。

(2007.02.02 中国新聞「広場」掲載)

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