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2008年5月

2008年5月27日 (火)

「バラばら薔薇」

   岩国市  会 員   鈴川 汎子

 
5月、我が家の庭は、それぞれの個性を表現して咲いたバラたちでいっぱい。毎年決まって訪れてくれる友。通りがかりに花の前で深呼吸する人。遠足にバラ見物の保育園児。香りに群れ来る虫。

 
 これらのみんなにバラの講釈をしすぎて枯れ気味の声になるころ、花たちはそろそろ休みに入る。

 私は次の開花に向けての作業開始。「ここにこの花を組み合わせよう」「うーん、どんなトレリス(格子垣)がいいかな?」。夢や希望は無限に広がる。

 この静かな鼓動も大好きだ。「バラには宇宙がある」とある人が言った。私の宇宙探検は終わりそうもない。
 (2008.05.27 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2008年5月12日 (月)

「コメ作り、ありがとう」

   岩国市  会 員   安西 詩代

 ナスの苗を植えようと、車で13分の山あいの小さな畑に出掛けた。5月の山は、ふわふわと新緑が優しく,ウグイスの声、山あいを渡る風が心地よい。

 周りの田んぼでは、田植えの準備が始まっていた。あぜ道の草を刈り、田を草とともに掘り起こす。何回も肥料を入れて耕し、山からの水を引く水路を整える。鏡のような水面にするには大変な準備がいる。

 田植えをしても稲刈りまでは、まだいろんな作業がある。人間の力の及ばない台風被害など収穫までの過程を考えると、ご飯を残したとき、「バチが当たるよ」と言っていた母の言葉が、よく分かる。

 何事も労力に見合った収入がないと、それを続ける活力がなくなる。安心で安全な農作物を食べることができ、それを励みに農業を続ける人がいてこそ、日本人が生きていける。

 他の国への多大な依存はやめよう。政府は生産者の活力を高めて、食料自給率を上げる政策を早急に決めてほしい。作物が育つには時間がかかる。一朝一夕にはできない。

  (2008.05.12 中国新聞「広場」掲載)

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2008年5月 1日 (木)

「春の味」

   岩国市  会 員   安西 詩代

 竹の子堀りをした。竹の子と親竹は、地中の根でしっかりつながれている。それでも「独り立ちしなさいよ」とばかりに離れた場所に竹の子を生えさせる。

 よく見ると、どの竹の子も心細いのだろうか、みんな親竹のほうを向いて生えている。何だかいとしくなってきた。

 だけど、大好物の竹の子をあきらめきれない。この出生をふまえて、根のつながっている親竹側に専用の鍬を入れると1度で掘り出せる。

 
 「ごめんね」と言いながら、若竹煮、木の芽あえ、竹の子ご飯と春の食卓は竹の子づくしとなった。
  (2008.05.01 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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