「雪うさぎ」
岩国市 会 員 安西 詩代
一面真っ白になっている朝、熱が出て小学校を休んだ。
母は外の雪が眺められる部屋に布団を敷いてくれた。うさぎ型に雪を固め、椿の葉を耳にし、南天の赤い実を目にした雪うさぎを枕元に持ってくる。
熱のある手で触ると気持ちが良いが、ピョンと逃げてしまいそうな気がした。うとうと眠っている間に雪うさぎは溶けて逃げてしまい、2枚の葉と赤い実が水に浮いている。
優しくかまってくれる母と雪うさぎは、病気の時の楽しみだった。久しぶりの雪化粧に、遠い昔の雪うさぎが、目の前を跳ねた。
(2009.02.20 毎日新聞「はがき随筆;特集『雪』」掲載)


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