「清涼の一服」
岩国市 会 員 貝 良枝
汗がじわじわと出てきたが、真剣に一切れのスイカと向き合う。「描いてくれーと言っているところがあるから、よく見て」と絵手紙の先生が言われた。「へたでいい。へたがいい」とも。
蒸し暑いなか、筆の端っこを持って集中して描くから汗が流れる。が、筆を止めると描けなくなってしまうので、汗などふいていられない。
一気に描きあげる。「う~ん」。赤と緑と黒い種。スイカには見えるだろう。言葉を添え、切手を張って出してみよう。
「お元気ですか。暑中お見舞い申しあげます」。友人の清涼の一服になるだろうか。
(2009.07.30 毎日新聞「はがき随筆;特集『汗』」掲載)


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