「プラットホームで」
岩国市 会 員 中村 美奈恵
高3の朝、電車を待っていると、男子が近づいてきた。目の前で立ち止まり、急に封筒を差しだした。彼の手が震えているのに気付き、戸惑いながら受け取った。
学校に着いてから、トイレで手紙を読んだ。彼は同学年で、陸上部のキャプテンをしているという。時折、電車で出会っていたらしい。夕方、駅の待合室で待っていると書いてあった。
改札を出ると、緊張した。突然の手紙に、どうしていいか分からない。私は彼が待っているはずの待合室を素通りした。
「あの時は、ごめんなさい」息子が高校生になった今になって、心が痛む。
(2009.07.09 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
| 固定リンク


コメント