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2009年10月

2009年10月28日 (水)

「食の安全肝に銘じて」

    岩国市  会 員   横山 恵子

 発がん性物質に変わる恐れのある成分を合む花王の食用油「エコナ」について、花王が特定保健用食品(特保)の表示許可を取り下げる「失効届」を保健所に提出、受理されたという。私はあぜんとした。
 許可されたものが、なぜこんな結果になったのか、納得がいかない。きちんと説明してほしい。
 わが家もお中元などで頂いた「エコナ」。「体に脂肪がつきにくい」と書いてある。メタボ予防にいいし、何より「特保」だし、安心して使っていただけに裏切られた思いでいっぱいだ。 
 この件だけでなく近
年、事故米の不正転売や産地偽装など食の安心安全をめぐる問題が後を絶たない。企業のモラルはどこにいったのか。情けなくなる。
 食は健康のもと、命の源である。私たちは家族の健康を願って表示を見て購入している。これでは一体、何を信用したらいいのか。
 一度失った信用は容易には取り戻せないことを企業は肝に銘じてほしい。消費者も正しい知識を身につけて、しっかりと選ぶ目を持つことが大切だと思う。
   (
2009.10.28 中国新聞「広場」掲載)

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2009年10月27日 (火)

「老けた代役」

   岩国市  会 員   沖 義照

 
夕方、散歩して家の近くまで帰ってきたとき、男の子がグラブを持ってコンクリートの壁に向かってボールを投げているのに出会った。この子とは数ヶ月前に1度キャッチボールをしたことがある。「キャッチボールやろうか」、「はい」。話はすぐに決まった。
 サラリーマン時代の昼休み、毎日ソフトボールをやっていた。28年前に買ったグラブを家から持ち出しキャッチボールを始めた。
 
この子には祖父はいるがお父さんがいない。6年生というが、まだ幼さが残るかわいい顔だ。
 「スポーツは?」「水泳を習っています」。野球はあまりやっていないようだ。ボールの投げ方を見ても体を正面に向けてぎこちなく投げる。「体は横に向けて、こうやって投げるんだよ」と、にわかコーチをする。
 「ボールを捕る時には、高いボールはグローブをこう向けて、低いボールはこう向けて捕る」と、キャッチングの基本も教える。何とか投げて捕る格好がつくようになった。
 私がこのグラブを買ったのは、息子が10歳と5歳の時。休日にはよくキャッチボールをして遊んでやった。男の子とキャッチボールをしながら、自分の息子と遊んでいたころを懐かしんでいた。ちょうどその時、男の子の祖父が自転車で通りかかった。「遊んでもろうとるんか、ええのう」。少年が少し恥ずかしそうな顔をして私を見た。
   
2009.10.27 毎日新聞「男の気持ち」掲載)

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「事故防止体感学習で」

   岩国市  会 員   吉岡 賢一 

 秋の日は「つるべ落とし」といわれる通り日が沈むと、いきなり夕闇が迫ってくる。そんな季節の移り変わりによって夕方の交通事故が多発するというニュースが流される。それも被害・加害ともに高齢者が目立つといういわく付きだ。
 14日付中国経済面の「作業事故の危険性体感」という記事を目にした時、「安全は掛け声だけでは維持できない。実際に肌で感じる体感教育が欠かせない」と思い知らされた。
 大半の大人が自動車を運転する現在、すべての運転者に体感学習による交通安全の習得を義務付けることは至難の業かもしれない。ましてや運転をしない歩行者にまで危険予知の体感教育を実施するのは、さらに難しいかもしれない。だからといってなおざりにはできない。対策は侍ったなしである。
 運転者も歩行者も「自分の安全は自分が守る。他人の安全も自分が守る」という基本意識の浸透に目を向けてほしい。全員参加によるきめ細かい体感学習が欠かせない時代になっている。移動式のコンパクトな交通安全体感装置なるものの開発も望まれる。
   
(2009.10.27 中国新聞「広場」掲載)

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2009年10月26日 (月)

「パシッと手応え 餅まきにハマる」

     岩国市  会員   貝 良枝       

 中山間部のこの地区では、秋に祭りが多い。氏神様の祭り、○○祭りと呼ばれるイベント。これらの祭りの最後に「餅まき」がある。壇上から袋に入った紅白の小餅がばらまかれる。始まると大騒ぎ。老若男女が手や帽子、袋を広げ、飛んでくる餅をキャッチする。そんな大人たちの間で転げる餅を追いかける子供やおばあさんもいる。
 以前の私はこの餅まきに参加するのが恥ずかしいと思っていた。が、子供の付き添いで参加するようになる。それでも転がる餅を追いかける私はきっと滑稽だろうと思っていた。しかしある時、私に向かって飛んできた餅に思わず左手を上げたら「パシッ」。手の中に力強く収まった。手のひらからジーンと感動が伝わってくる。「楽しい」を知ってしまった。
 以来、「餅まき」には必ず参加する。立ち位置も考え、飛んでくる餅に手を伸ばす。キャッチした時「やった!」とにんまりする。しかしチャンスはそう多くない。「下を見ていたほうがたくさん拾えるよ」と友人が言うが、量より「パシッ」を楽しみたい。今年は何個取れるかな?晴れることだけを祈る。
      (2009.10.26 朝日新聞「声」掲載)

  

 

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2009年10月25日 (日)

「子に自転車マナーを」

    岩国市  会 員   林 治子

 
河原で野球の試合が終わったのか、にぎやかな声がする。 
 やがて45人の子どもが自転車に乗って土手の上に現れた。下の道路まではかなりの急傾斜だ。
 
その中の一人が「おい、行こうぜ」と言と、ブレーキをかけないで一気に下りてきた。かなりのスピードだ。思わず目をつぶった。やがて下まで行った子どもが「おお、ラッキー」とガッツポーズをした。
 
車、バイク、自転車が行き交っていたり、お年寄りが歩いていたりしたらどうなったか、と思うと背筋が凍る思いだ。 
 
いつもラッキーという具合にはいかない。その時は自分もけが、もしくは命を落とすこともある。その巻き添えで相手にも同様な事故が生じてくる。怖いことだ。
 
学校、家庭や周りの大人たちは常に注意して、自転車に乗る子どもには、もっとマナーと命の尊さを教えてほしい。そして、子どもたちに自分の命、他人の命を大事にしてほしい。

  (2009.10.25 中国新聞「広場」掲載)

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2009年10月21日 (水)

「晩酌の顔」

   岩国市  会 員   片山 清勝

 父の晩酌は、コップー杯の酒と決まっていた。飲み干したときのうれしそうな顔-。おいしいのだろうと小学生のとき作文に書いた。

 20代半ばのころ、父は亡くなった。飲酒しない私は、父と晩酌を交わさずじまいだった。40歳までは飲まなかった。がらりと変わった仕事が、酒を始めさせた。それでも、在職中は宴席だけにした。退職後に晩酌を始めた。今は週3回、缶ビールならひと缶ほどだ。

 時々、下戸の妻が「おいしい?」と聞く。作文に書いた父の顔に似ているのだろうか。父が生きていれば今年100歳だ。
  (2009.10.21 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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「ロマン薫る町を散策」

     岩国市  会 員     片山 清勝

 
府中市上下町は、石見銀山からの銀を運ぶ街道の中継地点として栄え、白壁の似合うロマンの町であると観光案内に記されている。
 案内通り、当時の威容をしのばせる土蔵や町家が通りを挟んで続く。その町家と一体の白壁やなまこ壁、格子窓など趣のある造作一つ一つが魅力的だ。このロマン薫る通りを秋の一日、散策した。 
 
町家の続く中で「指し物」と墨で書かれたのれんが目に留まった。竹の棒に通されたのれんは、歳月を感じさせる色合いで、入り口の障子戸と、よく釣り合っている。
 
のれんの下に置かれたアンティークないすに「ティータイム」と小さな英文字で書いた木彫り板が置いてある。通りに似合う町家の玄関。そこに同居する、のれんと英文字の差異がほほ笑ましく、シャッターを押した。 散策の後、「これだけの町並みを保存し、維持する関係者の苦労は大変だろう」と仲間と話しながら、大正時代に建てられた芝居小屋を後にした,  

   (2009.10.21 中国新聞「広場」掲載)

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2009年10月20日 (火)

「ごもっとも」

      岩国市  会 員   林 治子

 散歩のときのこと。「ワンちゃんが可哀そう。まだ暑い時間帯だもの」。振り返ると、小学校低学年らしき男の子。「地面に顔が近いから、人間よりずっと暑いよ。ワンちゃんは物が言えないから。それぐらい気をつけてあげなくちゃ」

「私にも都合があってね」と小声で言ったが、気にしていることをずけずけ言うなあと思いながら、ごもっともとうなずいた。

 前髪を垂らし、黒縁の眼鏡……はてな?どこかで見たような、そうそうコナン君によく似ている。これ以上一緒するとどんなこと言われるか分からない。次の分かれ道でバイバイした。
   (2009.10.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2009年10月17日 (土)

「スター・ウォーズ」

     岩国市  会 員   井上 麿人

 不ぞろいの文庫本が書棚に並ぶ。下巻だけのもの、単行本とペアにされたもの、上巻だけ変色しているもの……。 

 映画の『スター・ウォーーズ』は下巻から始まった。以来、本も下巻から読むことを覚えた。少し分かりにくいところもあるが、中盤から一挙に終章を迎える心地よさがいい。その結果、下巻だけで満足できたり、上巻は立ち読みで済ませたり、古本で間に合わせたり、となる。当分、不ぞろいは続きそうだ。

 随筆仲間の勉強会で「文章に前後の脈絡がなく不ぞろいだ」と酷評される。読書のせいではないだろうが、少し理解できる。
  (2009.10.17 毎日新聞「はがき随筆」)

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2009年10月10日 (土)

「財 産」

岩国市  会 員   檜原 冨美枝

家を改築したとき、倉庫から朱塗りの箱枕が出てきた。きれいに洗い、箱の上にのっていた小さな綿入りの枕は作り替え、可愛らしいリボンでくくりつけた。すてきな枕ができた。

 毎晩使用するには抵抗があるが、すごく重宝している。美容院から帰った日は、必ずこれを使う。きれいにセットした髪が崩れない。両底が少し傾斜するよう削られており、結構自由がきき眠れる。

 昔、旅館を経営していた祖母が丸髷(まるまげ)を崩さないための大切な道具だったのだろう。今、寝具も進化しいろいろな安眠枕が出回っている。が、この箱枕は、私には大切な財産である。
  (2009.10.10 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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「平和伝える友を応援」

      岩国市  会 員   中村 美奈恵

小4の息子と一緒に原爆資料館(広島市中区)に行った。私は以前から、この日をとても楽しみにしていた。友人が研修を終え、資料館の入館者を案内する「ヒロシマピースボランティア」として、デビューするからだ。
 資料館前に行くと、彼女が待っていた。入り口のビデオを見てから進んでいく。原爆を投下される前と後の広島市街地のパノラマ模型。かろうじて崩壊を免れた建物を指さしながら、8月6日の惨状を聞いた。
 パネルの写真から、力メラマンがためらうほどの光景だったことも知った。ボロボロの衣服、黒いつめ、抜け落ちた髪の毛。一つ一つ説明をしてもらいながら息子と2人、展示物に見入った。
 帰り道、平和記念公園を通り、「原爆の子の像」に寄った。被爆後、白血病で亡くなった佐々木禎子さんの死をきっかけに建立されたという。折り鶴の鐘を鴫らし、息子の未来を思いながら手を合わせた。
 ピースボランティアは、悲惨な出来事を、訪れた人の心に刻む重要な役割があると思う。夢をかなえ、スタートしたばかりの彼女。これからたくさんの人たちに、平和の大切さを伝えてほしい。
  (2009.10.10 中国新聞「広場」掲載)

       

      

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2009年10月 9日 (金)

「秋半ば」

    岩国市  会 員   山下 治子

遅めにまいた朝顔は「残り物に福」。モクセイの芳香が漂い始めたのに、今朝もまた咲いてくれた。家の中から窓越しに空を映して眺めると、花びらは小さくなっているが、薄紫色と白と青の輪をにじませた朝顔には、小町娘がほほえむようなときめきがある。 

エコブームにつられて姶めたグリーンカーテンは、茎のほうが既に赤茶けている。三つ、四つ……と花がつけば片づけるのがしのびなく、その健気さがいとしい。

 いつまで咲いてくれるかなと思いながら、お疲れ様、ありがとうとお礼の液肥をジョウロの水に加えた。秋の風が葉をゆする。
    (
2009.10.09 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2009年10月 5日 (月)

「逆切れ」

  岩国市  会 員   沖 義照

 
15年間使った冷蔵庫で氷が全くできなくなった。電気店に診てもらうと、ポンプが壊れていると言われて取り替えた。その後は氷ができ始めて一件落着。

 1週間後、今度は氷ができないばかりか庫内が全く冷えなくなった。心臓部である圧縮機のダウンだ。もう買い換えるしかない。「どうせ壊れるのなら壊れる順番が逆だろう!」。

 ポンプの取り換えに定額給付金分くらいをすでに支払った。ただの箱となった冷蔵庫に向かって素直に「お疲れさん」とは言えず、ドアを何度も開けては新品のポンプを恨めしげに眺めている。
  (2009.10.05 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2009年10月 4日 (日)

「母親のすべきこと」

      岩国市  会 員   貝 良枝

コンビニの駐車場で若夫婦と2歳くらいの女の子の姿が目にとまった。その子が予想もしない方向に駆け出し、母親が後を追う。私は注意しながら駐車した。
 コンビニから出た時もこの親子と一緒になった。見ていると、母親が助手席側のドアを開けて先に乗り込む。それから外で待っていた女の子をヒザに抱き上げ、ドアを閉めて帰った。

私は、あぜんとした。まず、子どもを安全な車内に移し、それから母親が乗るというのが、安全の鉄則ではないだろうか。もし、待つ間に女の子がまた思わぬ方向に駆け出しら……。想像すると怖くなった。

幼い子が死亡するニュースを最近よく聞く。母親の不注意で命を失うケースも少なくない。せっかく痛い思いをして産んだ子。ちょっとした不注意で大切な命を失ったのでは侮やみきれない。母親として安全を第一に考えてほしい。

    (2009.10.4 毎日新聞「みんなの広場」掲載)

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