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2010年4月

2010年4月25日 (日)

「父の笑顔」

   岩国市  会 員   樽本 久美

結婚23年目の私たち。毎年、結婚記念日には2人で旅行や映画に行っていたが、今年は主人はゴルフに。少し不満だったが、ゆっくり書道を書こうと決めた。「亭主、元気で留守がいい」である。

3月に両親が結婚50年を迎えた。忘れていて、弟から「今日は親の結婚記念日で何かしたか?」と。私はあわててカメラ屋に行き最近の親の写真をハート型の置物にしてもらった。父がアコーデオンをひいて、母が笑っている写真を。

その写真を持って行くと、父がたいそうに喜んでくれた。久々に見た父の笑顔だった。
   (2010.04.25 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2010年4月20日 (火)

生活を変えた電子辞書の便利さ

  岩国市  会 員   山本 一

私の日常生活を振り帰ると、「これは便利だ」と、重宝するものが四つある。それは35年前からの自動車、20年前からのパソコン、15年前からの携帯電話、そして4年前からの電子辞書である。

面倒くさがり屋の私は以前、本や新聞を読むとき、分からない字は飛ばして読んだ。下手な乱筆なので書くことはほとんどパソコンで済ませた。各分野の辞書は一応持っているが、面倒なのでよほどのことがないと使わなかった。

ところが、定年退職後に友人から電子辞書活用のアドバイスがあり、加えてエッセー、川柳の同好会に入ったことから、とうとう電子辞書を購入。写真のL版程度の大きさに約100種類の辞書が入り、おおむね何でも即座に調べられる。以後、ちょっと分らなければ直ぐに調べるように私の生活が変わった。

エッセーや川柳などの趣味の会にはカバンに入れて必ず携帯している。紙の辞書に比べると格段に便利だ。今では1階の居間と、2階の書斎の計2箇所に常備している。

さて、私の五つ目のツールは何だろうか。最近、パソコンと携帯電話などを融合した流行の小箱が気になっている。

2010.04.20 朝日新聞「声」掲載)

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「母の選択」

       岩国市  会 員   貝 良枝

娘が起きてきて「あー、久しぶりに夢を見た。幸せ気分」と言う。どんな夢を見たのだろう。すごく気になった。「どんな夢だったん?」「あのね、家から学校に通っているんよ」とうれしそうに話す。

寮生活をして1年。春休みで帰省した娘は煮魚や煮しめをほおばり、その日のうちに洗濯ができることを喜ぶ。揚げ物の多い食事と、共同の洗濯機は苦痛なのか。

安さと頼りになる寮母さんのいる寮を選んだ。1人部屋。バス、トイレ付き。テレビもパソコンもある。30年以上前の寮生活とは比べ物にならない環境なのだが……。 
  (2010.04.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2010年4月19日 (月)

「テレビ番組同音量に」

   岩国市  会 員   山本 一 
 
 ある連続ドラマの再放送を見ていて、「小姑一人は鬼千匹にむかう、と言うから」に思わず飲みかけたコーヒーを吹きだした。
 言い得て妙なことわざである。実は、朝もこの番組を見ていた。俳優さんの言うことが聞き取れなかったと見え、2度目でやっと、ちゃんと聞いて笑った。
 テレビは、番組の種類や放送局により音量が微妙に変化するようである。特にドラマは声が聞き取りにくい。ドラマの中で会話によって声の大小がある。小さい声にテレビの音量を合わせないと聞き取れない。
 一番問題なのはドラマに音量を合わせているとCMや番組紹介、ニュースなどで突然音量が上がることだ。
 私は右耳が軽い難聴である。ドラマの声を十分に聞き取ろうとすると大きい音はさらに大きくなる。やむを得ず耳の良い妻に音量を合わせわせているため、ドラマの小さい声が聞き取れないことがある。
 ドラマもCMも、どの番組も同じ音量にしてもらいたいと、時々自分勝手ないら立ちを覚えることがある。映画館ではすべて聞き取れ、こんな思いはしたことがない。 
   (2010.04.19 中国新聞「広場」掲載)

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2010年4月14日 (水)

「ツバメが笑う」

    岩国市  会 員   吉岡 賢一

来た来た今年もやってきた。春到来を告げるツバメの第一陣がやってきた。まだ、ほんの数羽しか姿を見せない。先発隊として、安全や食糧調達などチェックしているのか、電線にとまる姿に落ち着きがない。 

 その上、随分とスリムな体形だ。はるか離れた越冬地からやせる思いまでして、陽気のいい日本で子育てをしようとやってきたのだろう。

 温かく迎え、もてなしてやりたい。しかし、軒先を貸す貸さないで毎年もめる。結局、今年もお断り。ツバメが同情を買うような瞳をこちらに向けて、苦笑い。
   (2010.04.14 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2010年4月 3日 (土)

「勝手な記念日」

       岩国市  会 員   山下 治子

「どうしたん、これ?」。いつもより豪勢な夕食に、息子はカレンダーに目を向ける。すかさず「本日は母の再生1周年でありまして」。

 私の親族はがん家系、両親もそれで早世している。いずれ私もと覚悟はしていた。いざ向き合うと臆したが、胸中悟られたくはない。息子だちは顔色を変え、手術に立ち会い、術後は交代で付き添ってくれた。だが、何力月もたたぬのにそのいたわりは忘れられた。
生き運を得て迎えたありがたい日なのに。

 「あの時はお世話になったわね」とケーキを焼いてキャンドル1本も立てた。息子たちに母の皮肉……分かるかな。
  (2010.04.03 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2010年4月 1日 (木)

「道半ば」

      岩国市  会 員   金森 靖子

パソコンには全く興味のない私だったが、ある勉強会でその必要性が出てきた。教えてくださるという人にお願いすることにし5カ月目。メール交換ができるまでになり楽しんでいる。パソコンのふたの開け方も知らない人間に、繰り返し繰り返し直接に、または電話で忍耐強く指導してくださった先生に心より感謝している。

ある時はあきれたような声でしかられ涙が出た日もあった。が、一つ進む度に「アラセブンの一握りの人だ」と褒められ力がわいた。まだ道半ば。折も折、携帯電話が壊れ買い替えた。今、娘に頭が上がらない。
   
2010.04.01 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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