« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »

2010年11月

2010年11月29日 (月)

頂いた間引き菜で妻は幾品?

  岩国市   会 員   片山 清勝

 「食べる〜」と朝早く届いたのは好きな大根の問引き菜。小指くらいに育った大根が、黒い湿った泥にまみれ、夜露にぬれた葉は新鮮そのもの。根菜類は大きく育てるため、株と株の間を間引く。その抜いたものを間引き菜という。

 問引き菜には思い出がある。子どものころ我が家には、少しばかりの菜園があった。その季節になると、おかずの呼び名は変わるが、食材は間違いなく間引き菜。少し不満を口にしたら、「緑の野菜をしっかり食べたら風邪を引かない」と祖母が諭した。季節の野菜のうまさとありがたさをそのころに知ったのかも知れない。

 出荷まで間引き作業は何回も行う。農家の人はこつこつ育てた作物を無駄にしないで食材にされる。野菜を頂いたときお礼を言うと「食べてもらえたらうれしいので」と恐縮する言葉が返る。

 頂いた間引き菜は量がある。炊いて炒めて和えて、妻は幾品作ってくれるのか。浅漬けのしやきしやきとしたあの歯ごたえも、またいい。

 (2010.11.29 朝日新聞「声」 掲載)

|

子育て支援頑張る

   岩国市   会 員   横山 恵子

 同級生から電話で「母子保健推進員をしてみないか」と誘われた。それは0歳から2歳の子どものいる家庭の子育て支援であった。

 引き受けたが、果たして私にできるのか、不安になった。

 友人に聞くと「推進員さんには、長男の夜泣きがひどくて愚痴ばかり言っていたような気がする」と話してくれた。そうか、話を聞いてあげることも大切なんだと少し気が楽になった。

 実際に訪問してみると留守の家庭が多い。幼い子どもを保育園に預けて働いている家庭に夜うかがっても悪いし、と悩む。そんな時は、仲間に幼なじみがいて、いろいろ聞いたりできるので心強い。

 嫁としゅうとめが思いやって暮らしておられる家庭からは、温かいものが伝わってきた。赤ちゃんを抱かせてもらうと、子どもたちの幼かったころや、2月に生まれた孫と重なって私の方が元気をもらえる。

 退職しても、まだやることはあるのよと、背中を押してもらったような気がする。若いお母さんたちの子育ての悩み解消に、少しでも役に立てたらと思っている。

  (2010.11.29 中国新聞「広場」掲載)

| | コメント (0)

2010年11月19日 (金)

「夫の糖尿病で深まったきずな」

       岩国市  会 員   横山 恵子

今や糖尿病患者は予備軍を合めると成人の5、6人に1人といわれている。初期にはこれといった自覚症状が無いため、軽く考え放置している人が多いような気がする。

 夫が糖尿病と診断されたのは約10年前。しかし、忙しかったこともあって、自覚症状もないので次第に病院から遠ざかり、3年後に脳梗塞になる。

糖尿病治療は、食事療法と運動療法が車の両輪と言われているが、夫は脳梗塞の後遺症のため手足が不自由になり、つえをついて歩くのがやっとという状態だ。せめて食事に気をつけねばと思い、酢卵や黒豆の酢漬けなどを毎日取り入れ、朝は玄米にして、和食中心を心がけている。 

今夏になって、ゴーヤに血圧や血糖値を下げる効果があると知った。ゴーヤを薄く切り、種とともに干してお茶にし、飲んでいる。約1年半前から、インスリン注射から飲み薬に替わり、負担が少なくなった。だが、以前のような体に戻ることはない。 

しかし、少しでも状態が良くなるようにと願いつつ、私は夫を支えている。つらい中にも家族のきずなはかえって深まったように思っている。

2010.11.08 朝日新聞「声」掲載)

 

  

今や糖尿病 

今や糖尿病

| | コメント (0)

2010年11月16日 (火)

「心の花」

    岩国市  会 員   檜原 冨美枝

友達の家の前を通ると塀の中から枝を伸ばした萩の花が心にとまった。豪華ではないが、ささやかにこぼれんばかりに咲いている。卵形の緑の葉っぱの中に薄紫の花びらがそよ風に揺れている。

 子供のころ、荒涼とした田舎道に咲いていた萩の花を仏壇にお供えし、父にえらくほめられた。5人の子供を残して早世した妻への思い出が募ったのか、仏壇にぬかずく父の背中は揺れていた。子供心にも胸が熱くなった。

それ以後、萩の花は私の心の花となった。四季折々に咲く花はどれも美しい。しかし、萩の花はなぜか私に語りかけているようだ。
    
(2010.11.16 毎日新聞「はがき随筆」掲載) 

| | コメント (0)

2010年11月14日 (日)

朝の散歩にのどあめ

     岩国市   会  員  片山 清勝

 定年後に始めたウオーキングは、朝刊の配達と同じ時間帯。寒くなると必ず「のどあめ」を口に入れて出かける。甘さととろみが冷気と乾燥からのどを守ってくれる。

 スーパーの「のどあめコーナー」の商品は豊富だが、寒くなるとさらに種類が増え、一段と華やかになる。

 目覚めによく口内がさわやかに感じる「すっきり系」が私の好み。妻は豊富な品の中から私の好みを買いおいてくれる。

 のどあめの効能は「せき、たん、炎症などの痛みや不快態を癒やし風邪の症状を抑える」とある。昨年は風邪が猛威を振るったが、風邪の症状すらないまま過ごした。

 こんな効能もある。集会でせきが出始めて困っていた知人、隣の人がそっとのどあめを渡してくれ助かったという。

 のどあめの種類が豊富ということはのどに気を使う人が多いということだろう。そのためか、新製品が次々と登場するのはうれしい。

 朝の気温にあわせて種類を決める。いつの間にかウオーキングの楽しみの一つになった。明日も気温は低い予報。さてどれを選ぼうか。

   (2010.11.14 中国新聞「広場」 掲載)

| | コメント (0)

2010年11月 9日 (火)

マイはし初めて挑戦

    岩国市   会 員    貝 良枝

 「カチャカチャ」。マイはしをパッグに入れた時の音を「恥ずかしいかなあ」と思いつつも、廿日市市であった「中国新聞ちゅ― ビーまつり」に出掛けた。

 最近は、テレビなどでもマイはしを使っている人を見る。でも、実際にはしを持って行ったことはなかった。

 後押ししてくれたのは6 日付広場欄の投稿「宮鳥清掃 夫婦で参加」。読んでいなかったら持って行かなかっただろう。

 会場で友達と焼きガキを食べる時、バッグからはし箱を取り出し、カチャカチャと鳴らし、「マイはしがありますから、はしはいいです」と断った。祭りの雰囲気の中では少しも恥ずかしくなかった。

 友達が「いつも持っているの」と聞く。そこで新聞の投稿の話をした。それには「ごみを出さないことこそ本当のエコ・・・エコは日々の積み重ね」とあった。それが広がっていけば、もっとエコになるだろう。

 投稿文から私へ、私から友達へ、友達からその友達へー。マイはしをバッグに入れて出掛ける人が増えるといいと青空の下で思った。

  (2010.11.09  中国新聞「広場」 掲載)

| | コメント (0)

2010年11月 5日 (金)

「ネコババせんよ」

        岩国市  会 員   吉岡 賢一

85歳まで電卓片手に現役を通した母。引退から10年たっても、他人の世話になるデイサービスを嫌がった。「仕事に行くつもりで行けばいいじゃ」と勧め、渋々、週2回通い始めた。

「今日はタオルを畳む楽な仕事じゃった」とうれしそうに報告する。そのうち「給料はいつくれるんや?」と真顔で私に聞く。頭の回転が少しずれてはいても「仕事をすればお金になる」という欲の皮は健在だ。

さんずの川の船頭さんにおひねりの一つもあげたかったのかな。101歳で逝った母。間もなく三回忌を迎える。
    (2010.11.05 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

| | コメント (0)

2010年11月 3日 (水)

『ツルを八代盆地に勧誘したい』

     岩国市  会員   安西詩代

 10月27日朝、待ちに待ったナベヅル4羽が山口県の八代盆地に飛来した。数日前、八代小学校の児童たちが「つるよ来い来い集会」をして、空に向かって全児童24人が「つるよ来い!早く来い」とかわいい声で叫んだ。こんなにいとしい思いでつるを待ってくれるくれているところがあるだろうか。1羽増えるたびにニュースとなり、八代盆地の住民ばかりでなく多くの県民が、「今年は昨年(越冬数は7羽)より多く飛来して」と願っている。

 鹿児島県の出水平野には毎年、多すぎるぐらいのツルが飛来する。私にツルの言葉が話せたら、「あなたたち、八代盆地にいらっしゃい。エサ場もしっかり造ってあるし、すごく住みやすい所よ」と、出水平野でツルを勧誘したい。(出水平野でツルの世話をされている皆様、ごめんなさい)

 私が小学校の頃、母に連れられ八代のツルを見に行って「鶴の卵」というフワフワのお菓子を買ってもらったのを思い出した。その頃は何羽ぐらい飛来していたのであろうか。たくさんのツルが田んぼにいた気がする。そのころに近い風景が再び訪れることを願う。

        (2010,11,03 朝日新聞「声」欄掲載)

| | コメント (0)

2010年11月 2日 (火)

「仕分け」

        岩国市  会 員   井上 麿人

五感の変化は記憶力も含め年齢と相対的なものだと思っていた。だが、最近は新聞とテレビとでは、記憶時間に違いが出始めていることに気が付いた。記憶する仕分け弁の使い方で差が生じているのだろうか。

「忘れ上手になりなさい」と医者から言われている。単なる物忘れは病気でも年齢でもなく、脳の防衛反応。また、適度のアルコールには忘却作用がある。

最近、飛ぶ夢をよく見る。アルコールによる忘却作用が、古びた自己認識を幼いころの心にワープさせているのだろうか。

時間を少し止め、トンボと青空をかけてみよう。 
   
    (2010.11.02 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

| | コメント (0)

« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »