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2010年12月 3日 (金)

「オンブバッタ」

    岩国市  会 員   沖 義照

 
夏場に勢いよく伸びた菜園の雑草を抜きとり、耕運機で耕したあと白菜を丁寧に植えておいた。
 
久しぶりに様子を見に出ると、大きくなり始めた葉が穴だらけになっている。あんのじょう、大小のアオムシがとりついている。「ごめんな」とつぶやきながら1匹ずつ取り除いた。
 そのとき、葉の陰からバッタがはい出してきた。見ると2匹がセットのオンブバッタだ。体長4㌢くらいのメスの上に、体長2.5㌢どのオスがちゃっかりと乗っかっている。白菜にとってはこれも害虫には違いないが、アオムシと同じように踏みつぶすことができない。見るからに固いきずなで結ばれたカップルに見えるからであろう。
 それにしてもオンブバッタのオスは、なんとも安易な生き方を選んだものだ。エサはメスが探してくれるし、そこへ行くにもメスにしがみ付いておけばいい。すべてメスに頼って生きている。まさにヒモのような生き方だ。
 
そんなことを考えていると、近頃の私も何やらオンブバッタに似ていないとも言えないと思えてきた。退職後は稼ぎはなく、買い物から調理まで三食すべて奥さん任せ。出かける時に車に乗せてもらうこともある。ほとんどのことは任せきりで、出番といえば、めったにない力仕事と枝切りなどの高所作業くらいだ。
 オンブバッタの姿に、ちょっぴり自分の最近の暮らしぶりが重なった。
   
2010.12.03 毎日新聞「男の気持ち」掲載)

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