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2013年4月

2013年4月30日 (火)

子供の感性見たカルタ作り

  岩国市 会 員   樽本 久美

小学校の放課後教室の指導員をしている。今までは家庭教師や塾の先生をしていた。偶然、知り合いから勧められてこの仕事をすることになった。

趣味で川柳を作っているので、子どもたちと「あいうえおカルタ」を作ることを思いついた。「あ」は「あやとりで色んな形作ろうね」、「か」は「かあさんの優しい笑顔ありがとう」といったものだ。カルタには絵もつけ、絵には色鉛筆で色を塗った。カルタにする文が思いつかない子は塗り絵を担当した。

1枚ずつ作っていくたびにうまくなり、カルタはあっという間に完成した。子どもの感性と集中力に脱帽した。できあがったカルタは実際に使って楽しんでいる。

子どもの成長はめまぐるしい。子どもたちと接していると、次々としたいことが思いつく。毎日本を読んでいる子どもとは、一緒にお話を考え、いつか絵本が作れたらいいねと話している毎日だ。

楽しく時間を過ごしながら、これからも子どもたちを見守っていきたい。

2013.04.30 朝日新聞「声」掲載)

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2013年4月27日 (土)

「徳を積む」

   岩国市  会 員   横山 恵子

 

以前住んでいたY町でお世話になった同級生のお母さんが、ケアハウスに入所したと聞いた。
 会いに行き近況報告の後、「ご主人、お元気」と聞かれた。「脳梗塞で足が不自由になりました」「あなたも苦労するわね。でも、定年まで勤められたんでしょう。大事にしておあげなさい。大変だろうけど、徳を積むことになるのよ」
 徳を積むって、何十年ぶりに聞く言葉だろう。夫に「徳を積むって」と聞くと、「良いことをすること」と一言。「私が父さんに徳を積んでいると思う」。冗談ぽく聞くと、夫の口元は笑った。
   (2013.04.27 
毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

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2013年4月25日 (木)

「わが家の晩ごはん」

     山陽小野田市  河村 仁美

 
嫁ぐ娘に家庭の味を受け継いでもらうために、わが家は「父娘の料理教室」を開催中。娘も料理本と格闘するより習う気になってきたようで、感心、感心。

主人の教え方は、あれこれ言わず見て学べ。私みたいに口出しばかりだとやる気もうせるが、悪戦苦闘しながらも楽しくやっている。マンツーマンなので料理はおいしいし、献立を考えなくていいのでラクチンだ。
 料理というと、「母から娘へ」というイメージがあるが、「父から娘へ」もいいかもしれない。夢のような料理教室は毎晩のように続き、食を通して親子のつながりを深めている。
  (2013.04.25 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年4月20日 (土)

「今年の命日」

      岩国市  会 員   片山 清勝

 

父は退職直前に急逝。病身の母は、心待ちしていたその日を失ったことでより体調を悪くした。間もなく私は結婚。嫁姑の小さな不和はあったが、「嫁にみとってもらう」が母の口癖に。その願いどおりに旅立ったのは、同居から二十余年たっていた。棺の中の顔を見ながら、病状の急変で幾度も早退したことを思い出し、「この年までよく生きてくれた」と話しかけた。

私は間もなく母の享年73歳になる。過去帳を開きつつ「本当はもっと生きて、したいこともあっただろう」。自分の充実した今の生活実感から、そう感じる。生きていれば100歳。
  (2013.04.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年4月19日 (金)

自転車通学 安全願う

    岩国市  会 員   片山清勝

 自転車事故のあまりの多さに驚いた。新学期に、新しく自転車通学を始めた生徒さんの参考になればと思う。
 日本損害保険協会の資料では、2011年の自転車乗用中の事故件数は14万件を超えている。
 死傷者数も14万人を超え、その40%を若者と子どもが占めている。最近は、自転車の加害事故も増加し、高額の賠償責任を負う事例も報道されている。
 中学生はヘルメットを着用しているが、高校生の着用は見掛けない。また、交差点での安全確認や、危険箇所での一時停止が十分ではない。会話しながらの並走、携帯電話使用なども街中で見掛ける気になる行為だ。
 事故には必ず相手がある。人であったり、障害物であったり。飛び出しなど、避け切れないさまざまな原因がある。
 事故は「させても、してもいけない」と自分へ言い聞かせ、正しい利用を心掛けてほしい。自転車は軽車両だ。ルールを守って安全な自転車通学をしてほしい。

  (2013.04.19 中国新聞「広場」掲載)

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2013年4月14日 (日)

「心騒ぐ季節」

  岩国市  会 員   沖 義照

 春、新しい一歩を踏み出すニュースが多い中、新聞の4コマ漫画「アサッテ君」を読んだ。

 石川啄木の歌の一節をアサッテ君が口ずさみながら花束を抱えて会社から帰ってくるものであった。「友がみな 我よりえらく 見ゆる日よ 花を買い来て 妻としたしむ」と、歌集「一握の砂」の中の一首である。「きょう、人事の発表があったみたいね」と奥さんはアサッテ君に背を向けて軽く聞き流している。

 この歌は、啄木が上京し満24歳の時に謳ったもので、このころ新聞社で校正係として働いていた。中学時代の友人たちは、目的に向かって着実に歩んでいたが、啄木は志を得ない境遇にあった。そんなときに謳った歌である。

 サラリーマンにとっての春は心騒ぐときである。大きな人事異動があったり、昇進昇格が決まるときだ。私も捕らぬ狸の皮算用は何度となくやってみたが、どれも空振り。そんな日にゃあ、確かに友がみな我よりえらく見えた。「俺って、だめな奴だよな。いやいや、上も人を見る目がない奴ばかりだ」などとぼやきながら家路に着いたものだ。帰り道、花なんぞを買って帰るようなことはついぞ一度もなかったが、啄木と同じ思いをしたことは何度もあった。

 今となってはみんな過去の小さな出来事。誰かの歌じゃあないが「いいじゃないの今が良けりゃ」ということだろう。
  (2013.04.14 毎日新聞「男の気持ち」掲載)

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2013年4月12日 (金)

「本命は………」

    岩国市  会 員   吉岡 賢一

 

 東京本社勤務を命じられた折、仕事のついでに銀座の歌舞伎座の前を何度も通った。 

 華やかな演目や俳優を横目でチラッと見るだけで、お金も時間も伴わずついに観客にはなれなかった。それでも「おふくろに一度本物を見せてやりたい」と思うことはあった。
 あれから20年。5代目の歌舞伎座として新開場し、こけら落とし興行が華々しく幕を上げた。今なら無理をすれば見せてやれるかもしれないおふくろは、もういない。せめて代わりに、カミさんに本物を見せてやろうか。「代わりに」などと言ったらバチが当たるかもね。

   (2013.04.12 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年4月 9日 (火)

「よろしくね」

        岩国市  会 員   樽本 久美

 
 
 私の仕事は、小学校の放課後教室の先生。いつも仕事に行く時間は、子供たちが校庭を掃除している。
 
 私が車から降り、ドアをキーレスエントリーで閉めるのを、いつも少し離れた所から見ている男の子がいた。「やってみる?」と声を掛けたら、満面の笑みで寄ってきて、ドアを閉めてくれた。

毎日、その児童は私が来たら、車に近づいてくる。昨日、点検で車を洗ったら、すかさず「タイヤがきれいになっている」と男の子。降りて車をよく見たら、本当にきれいになっていた。子供はよく見ている。また明日も元気な顔を見せてね。

  (2013.04.09 毎日新聞「はがき随筆}掲載」

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2013年4月 2日 (火)

「自分の字が怖い」

    岩国市  会 員   山本 一

 妻の買い物メモに何か貼り付けてある。よく見ると、私の自筆メモの一部だ。それも、何と逆さまに貼ってある。
 妻に「なぜなの」と詰問。「えっ、逆さまたった。機番のようなので、写し間違えないように、そのまま切り抜いて貼ったのよ。宇が汚くて読めやしないんだから」とのたまう。
 会社では3悪筆と言われていた。手帳の宇が自分でも読めないことがある。それにしても、上下が分からないほど読み難い字とは思わなかった。在職中はどれだけ多くの人を困らせたのだろうか。今さらながら、自分の字が怖い。

  (2013.04.02 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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