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2013年7月

2013年7月31日 (水)

「カメラ熱ふたたび」

   山陽小野田市  会 員   河村 仁美

披露宴のプロフィールビデオで昔の写真が映像として紹介される。記録に残すよりも記憶に残すがモットーの主人を説得し、一眼レフを購入。カメラおばさんと呼ばれていた撮影当時のいろいろなことが思い起こされ、感動で胸いっぱい。そのカメラも今では骨董品状態だ。

新聞で写真コンクール入賞者欄に知人の名前を発見。展示場で作品を鑑賞していると、カメラ熱が湧き上がってきた。何かを撮りたい。そうだ! まだ見ぬ孫の写真を多く撮って残そう。

まずは最新の一眼デジタルに買い替える説得をしなくちゃ。そして目指すはカメラばあば。

    (2013.07.31 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年7月25日 (木)

「夢よかなえ」

       岩国市  会 員   片山 清勝

 
七夕の短冊。肉太の力強い字で「僕はプロサッカーの選手になる」と言いきっている。岩をも通す志が伝わる。私の進路指導の時を思い出した。
 「早く働いて家の助けを」という担任のひと言で実業高校へ進学した。指導を恨んだこともあったが、子ども心にそんな気持ちを抱いたことも事実あったから、今は解消している。 
 「やさしい看護師」や「喜ばれる介護士」になりたいと具体的に書いた優しい文字。もしかしたら、この子らのお世話になるのかもしれない。そう思うと、夢が実るように、と短冊の向こうの顔にエールを送る。
   (2013.07.25 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年7月23日 (火)

「あれからずっと」

 岩国市  会 員   山下 治子


 新聞に掲載されるなんて恐れ多いことと思っていたが、ある日のはがき随筆を読み「このくらいなら私にも書けるわ」と、ただそれだけで投稿した。載った。驚いたが、こんなものかとも思えた。中学の時の作文コンクール以来の快挙だ。自己満足で喜んだ。

その晩「2、3行読んで『こういう書き方って、もしかしたら』と名前を見たら。やっぱりそうなんだ」。電話をくれたのは、十数年前転勤で引っ越した懐かしい友人。年賀はがき一枚でつながっていたが、思いがけない再会となった。以来彼女は、ファン第一号として感想を伝えてくれる。

   (2013.07.23 毎日新聞「はがき随筆」掲載) 

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2013年7月21日 (日)

「主 役」

     岩国市  会 員   森重 和枝

 今、家には5匹の猫がいる。10年前から次々に拾ったので、年齢も10、6、4、1歳である。猫社会にも序列はあるらしく、年長猫には一目置く。
 昨春仲間入りした2匹は兄妹で、やはり仲が良くいつも一緒にいる。じゃれて走り回っているうちに取っ組み合いになり、本気になってけんかになるのも人間の子供と同じである。
 どの猫がこんないたずらをしたとか、娘と2人の食卓で「猫の嫌いな人が聞いたら、ぞっとするよね」。そう言いつつも、孫のいない我が家の話題の主役は、いつも5匹の猫ぱかりになってしまうのである。
 (2013.07.21 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年7月12日 (金)

「大いなる遺産」

    岩国市  会 員   横山 恵子

 

亡父が76歳で退職して耕した土地。堆肥を作り野菜を試行錯誤しながら作っていた。「何でも育つのを見るのは楽しみなもんじゃ」といとしそうに作物を見ていた姿を思い出す。

友人からは「野菜作りも子育ても肥(声)かけが大切」と言われる。育てるって栄養(肥)と愛情(声)あってのこと。子育ては既に卒業したが、野菜作りは1年生。初挑戦のスイカは頭くらいの大きさに。なったら、まず父に供えよう。畑も受け継いでみれば草取り、水やり、虫等に悪戦苦闘。もしかして、私に修行させようと残してくれたの?

   (2013.07.12 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年7月 9日 (火)

「あーちゃん」

       岩国市  会 員   山本 一

「あーちゃん!」。すかさず妻が「はーい」と答え、勝手□のドアを開ける。2歳の孫のきらきらした目が飛び込む。妻の名前は昭子。孫には「あーちゃん」と呼ばせている。私は細工なしの「じーちゃん」だ。
 時々、孫と話をしている時、ついうっかり「ばーちゃんが」と口走ると大変だ。妻がすっ飛んできて「あーちゃんだからね」と孫に念押し。ジロリと私を威嚇する。妻は20年後は90歳近くだ。孫は青春真っ盛り。その時もまさか「あーちゃん」ではなかろう。 
 いつごろ「ばあちゃん」に落ち善くか、外野席も興味津々である。   

  (2013.07.09 毎日新聞「はがき随筆」)

 

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2013年7月 7日 (日)

棚田草刈り 活気戻る

    岩国市   会 員  片山 清勝

 標高500㍍にある休耕田の雑草刈リボランティアに、初めて参加した。
 棚田を見下ろしながら「かつては児童が150人もいた」と、集落に住む元教員が話した。眼下の田は、明治の初めに圃場整備された歴史を持つという。
 しかし近年、稲の植えられていない荒れ田には、背丈ほどの雑草が茂っている。山間地の問題を目の当たりにし、深刻さを感じる。
 十数台の草刈り機が一斉に仕事を始める。エンジンは小さいがまとまった音に、「久しぶりに活気を感じる」と集落の人の笑顔。
 機械は見る間に雑草を刈り倒す。初めて目にする回転刃の性能に驚いた。昼のむすびを食べながら話を聞く。経験から出る話の奥深さに驚く。
 草刈り機の操作を教わり、慎重にスタート。次第に慣れて、回転刃が雑草を切る感触を感じ始めて、自信が出た。
 倒れた雑草を眺めながらの達成感。次回も参加しようと決めた。

   (2013.07.07 中国新聞「広場」掲載)

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2013年7月 6日 (土)

「生まれてバンザイ」

   岩国市  会 員   吉岡 賢一

息子夫婦に初めての赤ちゃんが生まれた。
2350㌘。手のひらに乗りそうなちっちゃな体がピンクの毛布にくるまれ、バンザイして眠っている。
この世に生まれてきたことを自ら喜んでいるのだろうか。それとも両親や私たちの喜びを察して「生まれてバンザイ」を叫んでくれているのかな。
 初産が帝王切開であっただけに、身二つになった元気な姿と対面した時は思わず心の中でガッツポーズ。
恐る恐る抱き上げる両手に新たな命の鼓動と果てしない夢が広がる。
これから始まる長い付き合い、年など取っていられようか。

  
            (2013.07.06 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2013年7月 5日 (金)

「見合いの達人」

   岩国市  会 員   安西 詩代

 

もう何年も蛍を見ていない。そうだ、蛍狩りに行こう! 暗くなり、田植えの終わっ田から聞こえるカエルの声と満天の星を眺めながら川に着いた。

真っ暗闇でも川の蛇行が分かるほどの蛍の舞は、まるで天の川だ。蛍が星になり、星が蛍となり天と地がつながった。この蛍の舞はプロポーズだそうだ。1匹ではほのかな光だが、周りの雄と一斉にまるで指揮者がいるかのように発光を合わせる。2秒光って2秒休む、この暗闇と光の対比の中に壮大なドラマが……。あんなたくさんの集団見合いで、相手を一瞬で見つけるなんて蛍はすごい!

 (2013.07.05 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

     

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