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2014年4月

2014年4月26日 (土)

「ゆすらへの思い」

    山陽小野田市  会 員   河村 仁美

 一年中、仏壇の花をきらさないように考えて、姑が庭で生前育てていた花が、今もあちらこちらで咲き続ける。そんな庭の片隅で薄紅色の花を枝いっぱいに咲かせた新参者のゆすらうめを発見。
 
4年前に「思い出の中で」のタイトルで「ゆすらには思い出の中でしか会えなくなった」とはがき随筆を投稿。読んだ近くに住む叔父が苗木を持ってきてくれて植え
てから今年で3年目。花がたくさん咲いたので実を期待して待っている。
 
子供の頃に食べた真っ赤な小さな実の甘酸っぱい懐かしい味を思い出させてくれるといいなあ。
   (2014.04.26 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

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2014年4月18日 (金)

防止策は?

    岩国市  会 員   横山 恵子

 最近とみに物忘れが顕著になってきた。よく捜すのは眼鏡。外出する時になってあわてる。息子から「いつも決めた所に置かんからよ」と言われるのが落ちなので、彼のいない時に捜す。買い物に行っても肝心の物を忘れたり……。
 
 先日、朝市に行った時、机の上に買い物袋が置かれてあった。当番の人が「忘れ物かね。まあー、サイフが入っとるよ……」。私より上手を行く人がいたわ。
 
 今更老化と相撲を取っても勝ち目はない。ならば書くことで少しでも遅らせよう。 
 ボツにも負けず、くじけず書き続けることに意義あり
!!
 (2014.04.18 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2014年4月11日 (金)

笑顔のエプロン軍団

     岩国市  会 員   山下 治子
 

 食生活改善推進協議会は、地域の食育と健康のために活動するボランティアグループだ。略称は、食推という。
 退職して、ある日「健康診断を受けよるかね」と食推の方から声を掛けられた。急ぐ用事もなく、暇つぶしに受診すると…。思いがけず、命を拾った。拾った命はおまけの命、これも縁かと食推に加わった。
 1日分の野菜350グラムと食品30品目を用意し、調理し、ひと口50回かんで、きっちり食べる堅苦しい人たちなのではと、少し不安だった。だが、平均年齢59歳の60人は、それぞれの得手を提供し合い、よく食べ、よくしやべる笑顔のエプロン軍団だった。
 最年長は82歳。その所作は、包丁握りはボケにならぬという説を立証している。また、趣味も生きがいも「食推命」と言い切る会長は、この道32年。先輩方から見習う姿勢と、さりげない心遣いで、食推をまとめている。 
 3年前、東日本大震災が起き、募金活動に食推全員が奔走した。その半年後、山口国体が行われた。食推は、民泊選手団の食事作りを任された。被災地からの選手もいた。
 わが子のような選手たちのため、日の出前から仕込みを始め、朝と晩70人分を作ること10日間。正直きつかった。が、最終日に「ぶちうまかった」と山口弁であいさつされた時は、みんなで涙ぐんだ思い出がある。
 この年齢で「やり遂げた」という実感を体得できたうれしさは、食推全員の宝物だ。 

 
真新しいランドセルの新1年生たちは、友達何人できるかな。私は還暦を過ぎてから友達が100人増えた。 

  (2014.04.10 中国新聞夕刊「でるた」掲載)

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2014年4月 6日 (日)

遠い広島から被災地を思う

   岩国市  会 員   横山 恵子  
 

広島原爆資料館で月2回ほどボランティアガイドをしている。先日、被爆後の広島の 街並みを再現したパノラマの前に立っていたら、若い女性がハンカチを手に涙を流しておられた。声をかけてよいものか迷ったものの、「大丈夫ですか」と聞いた直後、かえってきた言葉に私は必死で涙をこらえた。
 
「仙台から来ました。家は津波で流されました」  
 

 女性は木造住宅が跡形もなくなり、コンクリートの基礎が残っているだけのパノラマが被災他とよく似ているというのだ。別れ際、女性の背中に手をあて幸せを祈った。 

 原爆資料館の来館者は東日本大震災後、増えているようだ。千葉から訪れた人からは近くに放射線量が多いホットスポットがあり測定器が手放せないと聞かされた。目に見えない放射能におびえながら暮らしているのだろう。 

福島第一原発事故は収束する気配がない。友人の娘も震災直後、生後間もない子どもを連れて福島から広島に帰ってきた。いつかは福島に戻りたいといっていたが、今は諦めているという。住み慣れた場所を離れざるを得なかった心中を思うと言葉もない。遠い広島から被災他のことを思い胸が痛んだ。 

 (2014.04.06 朝日新聞「声」掲載)

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