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2015年1月

2015年1月28日 (水)

幸せはこ々かしこ

   岩国市  会 員   安西 詩代

 

春になると桜一色になる錦帯橋。そばの公園には宇野千代の碑がある。その一つに「幸福のかけらは幾つでもある。ただそれを見つけ出すことが上手な人と下手な人がある」と書いてある。
 そういえば明治生まれの母が、人から物を頂いたり手伝ってもらったりすると「まあ!幸せます」と言っていたのを思い出した。「ありがとう、助かります」の代わりに「幸せます」をつかっていた。
 94歳まで生きた母は、どれほどの幸せを見つけたのだろう。
 こんな平和な時代に生きている私たちは、母より多くの幸せを見つけないと恥ずかしい。
  (2015.01.28 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2015年1月23日 (金)

読めない年賀状

         岩国市  会 員   山本 一

 

今年も娘2人を筆頭に「年賀状が読めない」という問い合わせが数件あった。きっと、他の人も言わないだけだろう。
 悪筆を少なくしようと近況はパソコンだが、必ず一言は自筆を添える。200枚強を積み上げ、1枚ずつ宛先の顔を思い浮かべながら書く。書き始めると自分の宇が嫌になり、すぐに手が重くなる。さっと書いて悪筆から逃げたくなる。悪筆に乱筆が加わる。殴り書きの様相。「悪筆でも良い、丁寧に書け」とよく言われるが、悪筆が丁寧に書くと、ますます悪筆が際立つ。これはもっと耐えられない。

新年早々、自責の念が渦巻く。

   (2015.01.23  毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2015年1月22日 (木)

収穫励みに農園通い

     岩国市   会 員   片山清勝

 誘われて月1度の農園作業に参加して数年になる。
 何も分からないまま、草抜きくらいなら手伝えるし屋外作業は体にいい、そんな軽い気持ちから車で片道30分の郊外の農園に通い始めた。
 草を刈り、くわで畑を掘り返し畝を作り、種をまき苗を植えて散水する。畑の乾燥を防ぐために、刈った雑草で畝を覆う。肥料もしっかり施す。イノシシの畑荒らしも経験した。
 体を動かすことも楽しいが、楽しみはやはり何といっても収穫だ。大根に水菜、ホウレンソウ、ピーマンなど収穫した季節の野菜を山分けする。
 会社人間だったので、定年後の過ごし方を夫婦で心配していた。幸い、誘われたり飛び込んだりして仲間との出会いを楽しんでいる。
 出会った人との多彩な話題は、新しい感覚でものを見直させてくれている。
 山分けした野菜入りの袋を「新鮮で安全」と妻が喜ぶ。今年は後期高齢者に仲間入りする。農園や趣味の集いを続けて、健康一番を貫きたい。

    (2015.01.22 中国新聞「広場」掲載)
        

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2015年1月20日 (火)

春よこい

     岩国市  会 員   中村 美奈恵

 

お正月、家族で神社へ初詣に行った。
 手を合わせた後、おみくじを引くと、私と三男が中吉だった。
 一番気になる「学問」を読む。
 私のは「目標を早く定めよ」。息子のは「己の甘さを戒め学問に精進せよ」。  

なんと、まあ!  
 正社員を目指し昨秋から学校に通っている母と、2カ月後に高校受験を控えた息子のことを神様はお見通しだ。
 記憶力の衰えにもめげず、ゲームの誘惑にも負けず、二人で頑張ろう。
 息子のしかめっ面を笑いながら、木に結びつけた。
  (2015.01.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2015年1月17日 (土)

小6の孫 コイ魂に火

    岩国市   会 員   吉岡 賢一

 孫3兄弟の真ん中で小学6年生の次男は、おとなしく、絵を描いたり本を読んだりするのが好きなタイプ。昨年9月、そんな彼を誘って広島東洋力ープの応援に行った。
 ルールも完全にはのみ込めていないから、野球よりもマツダスタジアムの施設や店のにぎわいを喜ぶだろうと、高をくくっていた。 
 球場に着き、うねりをあげる大声援に少し慣れたと思ったら、人が変わったように、自己流ながら真剣な応援を始めた。
 ヌンチャクバットを打ち鳴らし、大声を上げて一投一打に喝采とため息。カープは完敗したが、後ろの老夫婦が「お兄ちゃんの応援のおかげで楽しかった」と喜んでくれた。
 新生緒方カープ。たゆまぬ「常昇魂」で、今年こそりーグ優勝はもちろん日本一を勝ち取ってくれるに違いない。
 ふとしたことで火が付いた孫の新たな成長ぶりと合わせ、期待に胸膨らむ一年になりそうだ。一試合でも多く、彼を誘ってスタジアムに通いたい。

    (2015.01.17 中国新聞「広場」掲載)

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幾つになっても

 

   岩国市  会 員   吉岡 賢一

 目が覚めると、真っ新な肌着上下が枕元に置かれている元旦。寝起きのぬくもりを捨て、冷たい肌着に袖を通す。子供心に抵抗はあったが、元気で爽やかに過ごせと願う親心の前には不平など言えはしなかった。 
 そんな験かつぎにも似た習慣も、大きな時代の流れと共に忘れ去ったまま大人になった。それでも「正月は冥土の旅の一里塚」と、浮かれ過ぎを戒めた母の声は今も耳に残っている。
 365日を一区切りに、人並みに英気を養った正月も往った。新たに始まった七十路のこの1年。どんな冒険や出会いが待っているのだろうか。
    (2015.01.17 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
 

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2015年1月13日 (火)

ふ、ふ、ふ

    岩国市  会 員   樽本 久美

 「パンの耳」との出会い。
 偶然、私の前にパンを買っていた女性が「パンの耳ありますか?」と聞いていた。「ありますよ。100円です」と店員さんが。
 何でも興味を持つ私。「私にもパンの耳ください」といって買ってみた。300円ぐらいの食パンの切れ端なので、日ごろ買うパンよりも高い。まずいわけはなかった。それからは、毎回「パンの耳ありますか?」と聞いたが、なかなか手に入らない。4回に1回の確率でゲットできる。宝くじよりもいいかな?
 手に入れた日は「小さな幸せ」を感じる。「ふ、ふ、ふ」。私のストレス解消法。
  (2015.01.13 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

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2015年1月11日 (日)

長男の務め

   岩国市  会 員   片山 清勝

 
父は長男、その弟妹一家が集う盆正月は食事の支度で母は大忙し。それで子どものころ母の実家へ行った記憶はない。父は早世、長男の私が引き継いだ。妻は結婚した年から来客で実家帰りはできなかった。
 
年月が過ぎ、私の弟妹も子や孫らが帰省する親元になり、自分のそれは後まわしになる。京都に住む高1の孫は学校行事で帰省せず、夫婦だけの静かな年明けになった。 
 
にぎやかな昔も懐かしいが、長男の役目は果たしたと夫婦でほっとしている。弟妹らの賀状から、穏やかに暮らしている、と安心するのは長男の性か。
 (2015.01.11 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

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2015年1月 7日 (水)

庭で野菜のんびりと

    岩国市   会 員   山本 一

 わが家の庭の一角に5坪ほどの畑がある。今は大根、水菜、春菊、それにホウレンソウとグリーンピースが小さな芽を出したばかりである。
 毎週の釣りやパソコン、川柳、雑文などの趣味に追われ、畑は必要最小限しか手を掛けない。草で土が見えなくなったら草引きをし、収穫後の整地と再植え付けだけだ。
 肥料は生ごみ処理機のかすを埋めるだけ。無農薬の上、狭いところに10種類がひしめき、当然のことながら連作障害が起こる。
 病気や虫にやられる。時には野鳥の餌にもなり、その年によって出来、不出来が著しい。
 毎年当たり外れがないのがゴーヤーだ。青ジソやパセリ、オクラ、カブは、虫に餌を与えているようなもので、盛期になると急に葉がなくなってしまう。
 あれこれ趣味を抱えた老人の身の丈に合った畑作りのつもりだが、野菜も野鳥も虫も、病気を起こす細菌も、みんな生き物だ。生き物相手は難しい。

    (2015.01.06 中国新聞「広場」掲載)

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