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2015年3月 6日 (金)

ダブルの悲しみ

    岩国市  会 員   林 治子

 

早朝、東京からの電話。今父が亡くなりましたと姪の沈んだ声。あー、やっぱりだめだったか。13年近く家族同然に暮らしてきた。あの日外出から帰って目にしたのは意識がない弟。病院へ。担当医から脳幹から出血している、助からない、一刻も早く親族の方に連絡するように、と。急に言われ頭の中は真っ白。その時の記憶がない。
 
 転院を含め10力月、せめて口がきけるようにとの願いもかなわずそのまま逝ってしまった。一緒の布団で寝るほど可愛がっていた犬も突然後を追うように死んでしまった。重なる悲しみに私の足は母の眠る寺に向かっていた。

    (2015.03.06 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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