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2015年6月

2015年6月29日 (月)

84歳差の対面

  山陽小野田市  会 員     河村 仁美 

 愛媛の実家の父は肺気腫を患って在宅酸素療法中。
 2年前に私の2人の娘が続けて結婚式を挙げたが、両親は出席できなかった。結婚後、実家に挨拶に行く予定にしていたら、すぐ妊娠してしまい、気になりながらも娘のお婿さんとは写真でしか会えない状態が続いていた。
 半年違いで生まれた2人の孫がやっと1歳になり、車でしまなみ海道を通って愛媛までひいおじいちゃんに会いに行くことにした。
 

 実家には2組の結婚式で飾っていたウエルカムボードが結婚式の引き出物として送られている。実家に着くと、あいさつもそこそこに母はウエルカムボード抱えて現れ、機関銃のようにしゃべり始めた。
 偶然にも男の孫は父と同じ巳年、女の孫は母と同じ午年。84歳差のご対面となった。
 女の孫は最初は母にだっこされて半べそだったが、慣れてくるといろんなものを手に取って父に手渡している。男の孫は父の隣に座って酸素の管をしている父を心配そうに見ている。父が何か言っているのでよく聞いてみると「かわいらしい。かわいらしい」と言いながら2人の孫の手や足をなでていた。
 生で見られて良かったという両親に、後日、200枚撮った写真からセレクトしてA4サイズ10枚のアルバムを送った。思い出しながら何度も見ているという。
 生きているうちに会わせることができて本当に良かった。 
 

        2015.6.27  毎日新聞「女の気持ち」 掲載

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2015年6月25日 (木)

育てて楽しい山菜

       岩国市  会 員   角 智之

 

わが家では山菜の行者にんにくや鳴子ユリ、ウドなどを育てている。なかでも「うわばみ草」は栽培が簡単で、よく増える。

名前の由来は山奥のうわばみの出そうな所に自生しているからだという。だが生えている場所がすべて山深い所ではない。水田のそばや谷水が流れる湿った場所で見ることができる。

おすすめの調理方法はテンプラで、サッと揚げ、好みで天つゆやマヨネーズなどで熱いうちに頂く。えぐみもなくサクッとした歯ごたえが食欲をそそる。  

最近は、ワラビやゼンマイも随分少なくなった。身近な山菜に目を向けてみたいと思う。

2015.06.25 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2015年6月 5日 (金)

諭しかた

      岩国市  会 員   片山 清勝

 

歩道沿いの植え込みに白いものが見える。近づくと「けなげに一生懸命咲いている花を抜いたり切ったりしない事です」と書かれ、抜き取られたくぼみのそばに置かれている。「花泥棒は罪ではない」といわれているが、丹精込めたそれを黙って持っていかれて、美しさを評価されたと喜ぶ人はいない。一文を置かれた人は、持ち去りを直に責めず、小さくても生き物の命の大切さを話しかけている。私なら「盗むな」とだけ書いただろう。

効果ある説き聞かせには、相手の気持ちに優しく入り込める言葉が肝要と教えられる。

     (2015.06.05 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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