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2016年1月

2016年1月28日 (木)

寄り添いながら

      岩国市  会 員   横山 恵子

 

先日、列車に乗ったら、盲導犬を運れた女性2人が前の座席に座られた。
 その犬が私の足元に鼻を近づけてきたので、付き添いの女性が「だめよ、やめなさい。犬を飼っておられるんでしょう。犬は優しい人の匂いがわかるんです」と言われたので「犬もわかるんですね」と笑って答えた。
 一般家庭で1年育てられた後約1年間の訓練でやっと盲導犬に。確率は20匹のうち1匹とか。我が家の迷?犬では、とても無理。許しを得て頭をなでたら手を「ペロツ」となめてくれた。背中には「仕事中」という文字。ご苦労さま、元気でね。

   (2016.01.28 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2016年1月15日 (金)

聴くとは

       岩国市  会 員   安西 詩代

 

91歳の女性のお話を聴く。戦後生まれの私には想像もつかない苦しい経験をされている。
 
 先日「私のお習字を見て」と言われた。壁には半紙に「強く明るく生きるのよ」と力強い宇で書いてあった。「生きるのよ」が心にひびく。きっと自分自身のための言葉なのだろう。
 
 人生、つらい時、悲しい時、この言葉を心の中で唱えながら自分を応援し生きてこられた。 
 
 「いい人生だった! 何も思い残すことはない」と穏やかに言われるが、彼女の隠れている心の疼き、心の震えに触れ、軽々な言葉では相づちがうてない。深くうなずくだけがやっとだ。

   (2016.01.15 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

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2016年1月14日 (木)

ゲーム感覚で

       岩国市  会 員   林 治子

 

売り出しのチラシ片手にスーパーヘ。入り□近くのお菓子コーナーに人だかり。チョコレートの詰め放題。早速手をのばす。小さな袋にギュギュと押し込んでゆく。店内の騒音も耳に入らないほど夢中。あっー破れた。誰かがいう。ゲームするみたいに両手ですこしずつ押し込むのよと連れらしき人の声。なるほどとうなずく。見ると袋からはみでて大山盛りになっていた。そっと籠の隅にもたれさす。レジに置いた途端にくずれた。「欲張り婆さんね」とバツの悪さを笑いでごまかした。「まだまだうわ手がおられます」とニッコリ。この言葉にほっと救われる。

  (2016.01.14 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2016年1月13日 (水)

寂れ行く山村 胸痛む

    岩国市   会 員   横山恵子

 元日付の紙面から連載が始まった「中国山地」。過疎が進む状況を、暗たんたる思いで読んでいる。 私の故郷も中国山地沿いにある。訪れるたびに、空き家が目立つようになってきた。草が伸び放題の庭や荒れた田畑が、故郷の荒廃を物語っている。
 農業だけでは生活もままならず、高度成長に伴い、子どもたちは次々に都会へ出て行った。
 残された親は高齢化が進み、施設へ入ったり子どもの所へ行ったりして、地域はすっかり寂れている。
 昔は、自給自足が当たり前で、ゴマ、ソバ、大豆なども作っていた。「そばを打って食べた。今思うとぜいたくじやったね」と、叔母が懐かしそうに話してくれた。
 人の命の源は農業だと思う。行政がそれをないがしろにしてきたつけが今、集落の荒廃という形で表れているのではないだろうか。それに伴って自給率も下がった。
 寂れゆく故郷を見るのはつらい。   

    (2016.01.13 中国新聞「広場」掲載)

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2016年1月12日 (火)

招福の願いを込め

        岩国市  会 員   森重 和枝

 今年から、スマートフォンの待ち受けを変えた。開くと、燦燦と輝くダイヤモンド富士が出る。
 元日のテレビは富士山からの初日の出の中継をしていた。秒読みが始まり「出ました!」。画面いっぱいに見事な御来光。年に数回しか見られないというダイヤモンド富士だ。テレビの前で見ている人でも待ち受けにすると幸福に恵まれると聞き、急いでスマホを持つ。カシャ! うまく撮れた。 
 わざわざ初日の出を拝みに行ったことはI度もないが、映像だけでも、神々しくありがたい気持ちになるものだ。スマホを開ける度、ほっこりして幸せになる。
    (2016.01.12 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2016年1月 4日 (月)

取材記事300本へ意欲

  岩国市  会員  吉岡 賢一

中国新聞タウンリポーターとして写真付き記事を書いてみないか、と知人から勧められたのは2009年3月だった。早速、岩国総局の指導で、取材活動に挑戦した。記念すべき第1号が、その年の4月7日付岩柳版に掲載された。その時の感動は今も忘れることはない。それ以来、趣味の会やボランティア活動、祭りやイベントなど、「人の和」「地域の伝統を守る行事や活動」にスポットを当てて発信することに意義を見つけ、取材を続けて来た。あれから6年8ケ月を経た昨年末、掲載されたリポートは272本になった。一日も早く300本に到達することを、新年の目標に掲げたい。取材を通して多くの人からさまざまな情報を得る。それをリポートに仕上げる作業は、私にとってこの上ない社会勉強の場である。新しい年は、さらに地元に密着したタウンリポーターを目指し、足を使って、幅広い活動に光を当てる情報発信を心掛けたい。

     (2016.1.4  中国新聞広場 特集新年に期待する 掲載)

 

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父の背中

   岩国市  会 員   吉岡 賢一


 持って生まれた腕力の強さと旺盛な闘争心で、田舎相撲の大関を張ったこともある父は、明治32年生まれ74歳の生涯であった。若くして「強い大関」ともてはやされたせいか、その後の人生は波瀾万丈。子供の目には反面教師とする点が多々あった。
 
そんな中でも、世間を見通す眼力、先駆者的な発想も随所に見せ、時に自慢したくなる一面も持っていた。良くも悪くも、最も身近で最も長く、男としての生き様を見せつけた人生の大先輩でありライバルでもある。

 そんな父の歳に肩を並べる正月。お灯明を上げライバル賛歌の柏手を打つとしよう。
  (2016。01.04 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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