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2016年3月

2016年3月26日 (土)

衝撃の一枚

  岩国市  会 員   横山 恵子

 亡き父の写真を整理していたら、目に飛び込んできた一枚。それは「兵士の遺骨帰還」。白木の箱を抱く多数の兵士を迎える群衆。その行列はいつ果てることもなく続いていた。
 早速ボランティアをしている原爆資料館の仲間たちに見せたら「まーよう保存しとったね」とか「箱の中に髪の毛があれば良い方、ほとんど砂よ」などといろんな感想を述べてくれた。
 職員に「複写させてもらって良いですか」と言われ71年目にして日の目を見た思いがする。あの世に行ってもなお、戦争の酷さを伝えたかったのでは・・・・・・と思うと胸がジーンとなった。

   2016.3.26  毎日新聞「はがき随筆」 掲載

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2016年3月22日 (火)

Tシャツ

    岩国市  会 員    樽本 久美

 下関の火の山ユースホステル(YH)が新しくなった。学生の時、吟道部の合宿で3泊利用した。そこで、先輩に詩吟のイロハを習った。
 「さんせん、そうもく・・・・・・」と大声をあげて、吟じた。あれから34年、今でも私の詩吟は続いている。その後、一人で火の山YHで新年を迎えた。
 そのとき買ったYHのTシャツが偶然出てきた。懐かしいな。新しくなったYHでも、ミーティングがあるのだろうか? ここで、いろいろな人との出会いがあった。
 それから、私は毎年7回は、一人旅に出かけるようになった。
「青春18きっぷ」とYHを使って。

 

           2016.3.22  毎日新聞「はがき随筆」 掲載

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2016年3月12日 (土)

桜もいいけど

    岩国市  会  員     吉岡 賢一

 笑いと涙と汗と我慢の歴史を重ね、45年目の春を迎えた老境の夫婦。
「サファイア婚式のお祝いに、少し遠出して花見と温泉でも楽しもうや」と、ささやかな夢を描いていた。
 ところが、孫兄ちゃんが高校進学、三男坊は小学校入学というダブルのおめでたをつきつけられた。こりゃ大変、半端な出費ではない。
 孫の祝いの前にはジジ・ババの小さな夢など物の数ではない。春霞の彼方へ飛んでった。
「桜もいいけど紅葉もねー」と、遠出は紅葉の秋に先送りし、春はお祝いに専念することにした。
「桜はやっぱり、錦帯橋が一番よー」

         (2016.3.12 毎日新聞「はがき随筆」 掲載)

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2016年3月10日 (木)

孫のため久々に料理

    岩国市   会 員   山本 一

 ある日、私一人で5歳の孫息子の子守をした。 
 昼食前、たまたま冷蔵庫に消費期限の近づいた豚肉があるのを発見。せっかくだから処分して妻を喜ばせようと、孫に「焼きうどんは好きか」と聞いた。
  「どんなの。じいちゃんが作るの」と、彼は不安そうな目。「うん、上に目玉焼きを半熟で載せるよ」と彼の大好物をちらつかす。 「じゃあ、食べてもいい」と少し生意気な返事だ。
 お好み焼き用ソースを、どさっ。さらに、彼の大好きなマヨネーズをこれも目の前で、どん。1時間かけて、やっと完成した。何年ぶりかで料理をしたので、どっと疲れが出た。
 孫は、2口くらい食べて大声で「うまい」と言い、あっという間に完食した。だが、「お代わりは」と聞くと、「もういらない」。本当においしいときは、際限なく食べるものだが、と少し気になる。
 帰宅した妻が残りを「おいしい」と言って食べた。が、孫にも妻にも心配りされたようで、何だか後味が良くない。 

     (2016.03.10 中国新聞「広場」掲載)

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2016年3月 1日 (火)

挫 折

      岩国市  会員    山本 一 

 やりたいことに対して時間が足りない。年頭に中期と年計画を立てる。退職後12年、まだ在職時の癖が抜けない。
 さてどこで捻出するか。「あった。晩酌の時間だ」。毎日2時間半、至福の時間の削減を決意。三が日を過ぎ、早速実行。とにかく酒は1時間半でやめた。約1時間の短縮に成功。
ところが、この「ほろ酔いの1時間」の使い方がなかなか難しい。これまでと全く変わらず、某テレビ局のニュース番組を見ながら居眠り。23時ごろ、書斎に上がり、約1時間はパソコンに向かう。以前のままだ。我が聖域への小細工はやめた。
 

     (2016.3.1 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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