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2016年7月23日 (土)

頭に住むそろばん

     岩国市  会 員   林 治子

 シルバーの人たちの集まりに行くと決まって脳トレという項目がある。指の運動、数の計算、体操などなど。その日は司会者が数字を読み上げる。計算しながら、ふと思った。頭の中にいつの間にか、そろばんがあり、右手の指は膝の上で玉をはじいていた。
 終戦になり、片田舎の小さな村にもそろばん塾ができた。物珍しさもあってか生徒が大勢集まった。乗り気でなかった母を口説いて熱心に通った。そのおかげだと気づいた。ここで役立つとは……。ありがとう。
 遠くで「ご破算で願いましては」という懐かしい先生の声が聞こえるようだ。 
 (2016.07.23 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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