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2016年9月10日 (土)

郷愁誘う風景 残して

    岩国市   会 員   角 智之

 「赤い花なら曼珠沙華・・・」。歌にも歌われているように、ヒガンバナは秋を代表する赤い花である。
 この花は、浄土と現世をつなぐと言われ、お釈迦花、天蓋花、ろうそく花など仏教に関する別名が多いのも興味深い。
 田舎で暮らしていた小学生の頃、近所の幼なじみと花束にしたり、花茎を小さく折ってちょうちんを作ったりして遊んだ。
 会社勤めの頃、通勤電車から眺めた水田の石垣に群生した風景は見事で、市街地では見ることのない情景に郷愁を覚えた。
 わが家の近くに群生する場所があったが、団地造成と道路拡張工事でコンクリート整備され、数少ない自生場所が失われた。
 最近、新聞やテレビで報道されているように、小規模集落は村ごと消滅の危機に直面している。
 人々の暮らしと密接に関わったヒガンバナが咲き乱れる棚田の風景を、ぜひ残してほしいと思う。

    (2016.09.10 中国新聞「広場」掲載)

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