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2016年10月

2016年10月29日 (土)

日々体力測定

      岩国市  会 員   貝 良枝

 

階段の掃除をしていたら足を踏みはずしそうになって擦り傷をつくった。同じ日、台所で指をやけどした。体が思うように動いていない。
 そこで体力測定をしてみる。私の方法は2階まで階段を駆け上がれるか。タンスの下段に服を片付けて一気に立ち上がれるか。ラジオ体操が力いっぱいできるか。どれも息が詰まる。
 これは体力が落ちている証拠。最近の生活を振り返り「だよね」と納得する。  

まずは、体力測定の項目が難なくできるようにしよう。私の体は、私が守らなくては。大きなけがをする前に。

   (2016.10.29 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

   

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2016年10月27日 (木)

にんまり

      岩国市  会 員   森重 和枝

 
今年の里芋畑は今も葉が茂り株も太い。掘ってみた。姑から引き継いだ芋作りも10年余りになる。なかなか姑のようにはいかず、毎年がっかりする。
 姑の作る芋は株元から約30センチの所へ四方から鍬を入れ、やっと掘り上げる。子芋、孫芋がたくさん付いていた。例年のつもりでスコップを入れる。びくともしない。四方から入れ、力の限り持ち上げた。孫芋は少ないが、子芋が何個も付いている。7株掘っただけで15キロあった。
 早速、小粒を衣かつきにしてみる。掘りたての芋は粘りがあり柔らかくうまい! 姑にやっと追いつけた気がして嬉しい。
    (2016.10.27 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2016年10月14日 (金)

隣のヒノキ

    岩国市   会 員   吉岡賢一

 隣の空き地のヒノキが枯れた。地主のご夫婦が苗を植えてかれこれ20年、高さ約8、幹の直径約30にまで成長していた。
 てっぺんはヒヨドリの展望台であり見張り台だった。茂った枝葉はスズメの避暑地だった。他にも多くの小鳥たちが寄ってきて、まるで木全体がサロンのようになっていた。
 この夏は連日の猛暑に加え、雨が少なかった。そのため、元気盛んなヒノキの若木も熱中症に侵されていたのかもしれない。
 隣のご夫婦は苗を植えた当時、耕運機で雑草を取り除くなど手入れを欠かさなかった。しかし、今はもう亡くなられている。後継者のいない600平方もの土地は荒れ放題だ。
 これまでヒノキの成長を楽しみ、優しい緑に目の保養をさせてもらったお礼に、新たな苗木を植えて小鳥たちのサロンを取り戻そうかー。さまざま考えてもみるが、他人さまの土地では手を出すこともままならない。このまま放置して荒れすぎると、害獣もすみ着くことになりかねない。
 速やかな対策を行政にお願いする一方、向こう三軒両隣が協力して空き地被害を食い止める方策を講じる必要がありそうだ。
 ただ、空き地に接する7軒のうち、1軒を除いては紛れもない高齢者ぞろい。自衛活動も思うに任せない。それでも、自らの安心安全を守るためには、住民同士の協力体制をつくり上げ、行政との協働体制を構築するのがいいのかな、と考えている。

     (2016.10.14 中国新聞セレクト 「ひといき」掲載)

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のくる

岩国市  会 員   沖 義照

子どもの頃、10月に入ると家族総出で焚き木取りに連れ出された。小枝を小さな束にして背負わされ山を下る。家までの中間点まで運んだところで荷を降ろす。再び上って行き、また荷を背負って中間点まで運ぶ。少し休んだ後、今度はそこから家まで2回運んで全てを持ち帰る。 

このような運び方を父はのくると言っていた。「さあ、のくって帰るぞ」と聞くと、子ども心に「よし、頑張ろう」という気持ちが湧いた。苦労して持ち帰った焚き木で風呂を沸かしご飯を炊く。台風一過、山道に落ちた小枝を見ると、子どもも働き手だった幼い頃を思い出す。
   (2016.10.14 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2016年10月10日 (月)

元気をもらう

        岩国市  会員   横山 恵子

 先日、幼稚園で行われた敬老参観日に出席した。孫のクラスは21人。その数以上の祖父母たち。
 先生が「おじいちゃんたちに聞きたいこと、ありますか?」と言われると元気よく2人が「僕たちくらいの頃、どんな遊びをしていましたか?」「おばあちゃんは何歳ですか?」に一同大笑い。孫と向かい合って歌に合わせ、肩をたたいたりハグしたり。最後は「目をつむって」と言われプレゼントされたのは色紙に孫の写真と奴の折り紙。
 仏壇に「元気をもらって帰ってきたよ。うらやましいじゃろ」と言いつつ目の奥が潤んだ。   
     (2016.10.10 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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2016年10月 7日 (金)

もの思う秋

    岩国市  会 員   吉岡 賢一

 天井からぶら下がる裸電球をあっちこっちに引っ張って明かりを分かち合い宿題や読書にいそしんだ遠い昔が懐かしい。多少の不便を感じながらも、あの柔らかな橙色には家族のぬくもりがあった。
 この度、古くなった蛍光灯をLEDシーリングライトに替えた。「点灯」「消灯」はもちろん「蛍光灯」「図書館」「食卓」など明るさや色を変える12もの機能がリモコンーつで自由自在。目に優しい明るさや便利さは超一流でありがたい。
 
このありがたさや便利さは、家族のぬくもりを忘れさせる魅力を秘めているということか。 

    (2016.10.07 毎日新聞「はがき随筆」掲載

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しおり

   岩国市  会 員   山下 治子

 暦の上ではもう消えたはずの暑さと台風に耐え、彼岸も過ぎたある日、絵はがきが届いた。風に揺れてほほ笑むような都忘れの花を手触りのよい和紙に描いている。
 
5ヵ月前、大動脈瘤の手術から復帰した50年来の親友からだ。彼女は丸10年間、父親の介護と脳腫瘍のご主人の看護で休む時を持たなかったが、この2年のうちに2人を送った。彼女にとっては、ぎりぎりセーフの手術だった。 
 「夫と父が守ってくれている。これからは一病息災を心して」と書き添えてある。私は絵はがきの四隅を丸く切り、端に穴を開けリボンをつけて日記に挟んだ。
 

    (2016.10.07 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

 

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2016年10月 6日 (木)

新米の季節 眺め楽し

   岩国市   会 員   片山清勝

 近くの小学校のブロック塀の内側から、黄金色に実った稲穂がのぞいた。毎年この時期の散策の楽しみにしている。刈り取りが終わると、はぜ掛けで天日干しされる。
 私には米作りの経験はないが、毎年、妻の実家から届く新米で季節を味わっている。
 伝来の田んぼを守る義兄に感謝しながら、新米の味と香りを楽しむぜいたくは格別である。
 その新米の行き先がある。京都に住む孫はご飯が大好きで、帰省しても3食ご飯を食べる。そんな孫にお裾分けする。
 「秋の文化・体育行事や受験準備も頑張っている」と嫁が孫の様子を知らせてきた。新米を食べて思いっきり活動してほしい。
 昭和の半ばごろまで田や畑だった一帯は道路が新設され、次第に街の姿に変わり、稲穂は散策で見られなくなった。
 街中の小学校で続いている米作り授業は、日本の農業を引き継ぐ一助になると稲穂を眺めながら思う。

    (2016.10.06 中国新聞「広場」掲載)

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