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2016年10月 7日 (金)

しおり

   岩国市  会 員   山下 治子

 暦の上ではもう消えたはずの暑さと台風に耐え、彼岸も過ぎたある日、絵はがきが届いた。風に揺れてほほ笑むような都忘れの花を手触りのよい和紙に描いている。
 
5ヵ月前、大動脈瘤の手術から復帰した50年来の親友からだ。彼女は丸10年間、父親の介護と脳腫瘍のご主人の看護で休む時を持たなかったが、この2年のうちに2人を送った。彼女にとっては、ぎりぎりセーフの手術だった。 
 「夫と父が守ってくれている。これからは一病息災を心して」と書き添えてある。私は絵はがきの四隅を丸く切り、端に穴を開けリボンをつけて日記に挟んだ。
 

    (2016.10.07 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

 

 

 

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