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2017年2月17日 (金)

春立つの頃

       岩国市  会 員   山下 治子

 

節分の日、私はいつも鬼の役だった。給食後、年少組の教室にお面をつけて進入。気づいた園児が悲鳴を上げて泣き出す。
 わざとダミ声で「給食残した子はおらんかあ」と園児を追い回す。持っていた玩具を投げる子、私の足にかみつく子、正義の味方に変身する子など園児たちに涙が出るほど笑わせてもらった。「みんな残さず食べました。良い子ばかりです」と先生がかばう。おませな女の子が「あっ給食の先生だあ」と言った。あの懐かしさがこみ上げる。
 息子が玄関を開け「鬼は外……」と豆をまいた。我が家だけのようだった。
   (2017.02.17 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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