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2017年3月25日 (土)

母からの贈り物

  山陽小野田市  会 員   河村 仁美

 大学進学とともに実家を出て、早いもので38年。いつのまにか親と過ごした年月より離れて過ごした年月の方が長くなっている。その間、どこに住んでも実家の母から段ボールに入った贈り物が届いた。「そっちでも売っているよね」と母は言っていたが、定期的に届くのが楽しみだった。
 
昨年7月、母が急死した。「実家の母が亡くなって変わったと思うことはない?」と主人に尋ねたら、「ミカンが届かないね」と返答がきた。愛媛の実家からミカンが送られてくると、今年もこの季節がきたなとしみじみ感じていたので、何だか物足りない。農家ではないので、知り合いに頼んでわざわざ送ってくれていた母。毎年当たり前のように送ってくれていたが、本当にありがたかった。
 
実家からの荷物を開けたときに手紙を探すわくわく感。下に敷いてあったり、間にはさまっている新聞を伸ばして読むのも楽しみの一つだった。今、母がしてくれたように娘に荷物を送っている。自己満足かもしれないが、楽しみにしてくれることを信じて……。
 (2017.03.19 愛媛新聞「てかがみ」掲載)

 

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