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2018年5月 3日 (木)

何とかなるよ

  岩国市  会 員   樽本 久美

 前向きな人と出会うと、こちらまで元気になる。たまたま趣味の会で知り合った86歳の女性。なんとなく馬が合い、いろいろな節目で、その人にアドバイスをいただく。今回は、私の方がアドバイスをした。
 手術を控えているHさん。今住んでいる有料老人ホームを出て、家に帰りたい
と話していた。家では一人暮らしとなる。半年前に、家で転んで救急車で運ばれ、何とか命を取り留めた。子供は、遠くに住んでいるので、近くの親戚が頼りである。自由が大好きなHさん。さすがに、ホームの生活に不自由を感じているようだ。よくやってくれるホームであるが、やはり「家に帰りたい」と思う気持ちが強くなってきている。  
 私の母と同世代。娘の立場では、家に帰って1人暮らしをするよりはホームでの生活を勧めたいところだが、Hさんの日ごろの活動を考えて「好きなようにしたら」とアドバイスした。結局はホームに残ることにしたようだ。80歳からピアノを習ったり、真っ赤なドレスを着て社交ダンスをしたり、やりたいと思った時が「今」と思っているHさん。話していると、私も頑張らなくてはと思う。
 Hさんがいる老人ホームで、書道を教えて
いくことになった私。今まで後回しにしてきた、書道の先生に来年から挑戦していこうと決めた。今の仕事を辞めて、大変ではあるが少しずつ準備をしていこうと思っている。背中を押してくれたのはHさんである。「何とかなるよ」。お互い。

  (2018.05.03 毎日新聞「女の気持ち」掲載)

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