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2019年3月15日 (金)

春の苦み

       岩国市  会 員   稲本 康代

 庭に立っていると、落ち葉の下にみどり色のふくらみが見えた。フキノトウ? 急いで落ち葉をかき分け、摘んだフキノトウ5個を手のひらに乗せて眺める。心が暖かくなり「春だ!」とひとり叫んでいた。

 春の野菜には苦みがある。「春の皿には苦みを盛れ」ということわざがあるが、冬から春へ体を目覚めさせるには苦みという刺激が必要なのかもしれない。冬眠明けの熊が最初に口にするのもフキノトウだという。
 しかし私自身を振り返ると体も心も甘い物ばかり求めては強くなれないと知りつつ苦みより甘みの誘惑に負けるのである。
  (2019.03.15 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

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